歯科医師が接種研修 新型コロナワクチン 人材確保で県が要請

接種時の手順や注意点について実技を交えて確認する参加者(左)=30日、鹿児島市

 【鹿児島総局】県歯科医師会(伊地知博史会長)の新型コロナウイルスワクチンの接種研修会が30日、鹿児島市の歯科医師会館を主会場にあった。県が要請したワクチン接種の人材確保を目的に、鹿屋市と奄美市名瀬の会場ともオンラインで結んで実施。参加した同会所属の歯科医師は接種の注意点や手順などについて理解を深めた。

 

 新型コロナウイルスのワクチン接種については、県内43市町村が国の調査に対して7月末までに高齢者への接種を終える予定としているが、一部の自治体は、医師や看護師などの医療従事者不足などを理由に「困難」との見方を示している。

 

 国が歯科医師による集団接種会場での接種を特例で認めたことを受けて県は、人材不足の解消に向け県医師会に接種の担い手確保への協力を要請。歯科医師会によると、会員約800人中、約210人から協力の意向が得られたという。

 

 研修会は、教材(座学)研修と実技研修の2部構成。メイン会場の県歯科医師会館では約190人が受講した。

 

 午前中にあった教材研修では、筋肉注射による接種に必要な骨格や皮下組織の知識や、接種に当たっての注意点などを確認。「2回接種が済んでも感染対策は変わらず必要」「接種の不安がぬぐえない人に無理強いをしない」などの注意点も示された。

 

 午後の実技研修では、接種の手順や注意点、接種者への声掛け励行の必要性などを説明。参加した歯科医師らは注射器を使用した模擬注射などで実際の接種業務に備えた。

 

 歯科医師の市町村への派遣については、県が自治体から要請を受け、集団接種の日程や会場、時間などを確認した上で歯科医師に報告。派遣可能な人材を歯科医師会が選定する仕組み。県コロナウイルス感染症対策室は、具体的な派遣体制を早急に構築する。

 

 県歯科医師会の伊地知会長は「接種の担い手不足は、県民の生命や健康を守る上で大きな懸念材料」とした上で、県の要請を受けてすぐに県内の会員全員の協力を求めたと説明。「筋肉注射など、技術的に十分な理解が必要な部分もある。研修を通じて、しっかり備えたい」と話した。

 

大島会場では5人が参加 

 

大島会場となった大島郡医師会館=奄美市名瀬塩浜町=には、大島郡歯科医師会(町田慶太会長)から5人が参加した。

 実技研修では大島郡医師会の稲源一郎副会長を講師に、実際に25㍉の注射針を用い、模型で神経構造や打つ位置を確認したほか、被接種者への声掛けなど、実践を想定したワクチン接種のトレーニングが繰り返し行われた。参加者からは、普段の歯科医行為とは違う、医療行為の専門的な質問が多く寄せられた。

 

 研修後、稲会長は「医師会は島の医療を逼迫(ひっぱく)させることなく機能を保つことが役割。医師会の方々が積極的な姿勢で取り組んでいただき、本当にありがたい」と述べた。町田会長は「高齢者接種に関しての人材は足りていると聞いている。ただ、これから基礎疾患のある方や一般の接種が控えており、もし協力要請があれば、役立てるよう尽力したい」と話した。

 

 同会所属の徳之島の歯科医1人は、主会場で受講した。