課題4項目対応方針を了承 ロードキル対策強化を指摘 奄美・沖縄 世界自然遺産科学委

 「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の世界自然遺産地域の科学委員会(委員長・土屋誠琉球大学名誉教授、委員13人)の会合が22日、オンラインで開かれた。7月の遺産登録決定に際して、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会が要請した4項目の課題への対応方針を了承。希少動物のロードキル(交通事故死)について、委員から「これまで以上の努力をしないと難しい」と対策の強化を求める指摘があった。

 

 科学委員会は学識経験者らで構成。奄美・沖縄の自然環境の適正な保全管理について専門的な助言を行う。7月の世界遺産登録後の開催は初めて。関係者ら約60人が出席した。

 

 世界遺産委員会の要請は▽特に西表島における観光客の制限▽アマミノクロウサギ、イリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナなど絶滅危惧種の交通事故対策▽包括的な河川再生戦略の策定▽緩衝地帯での森林伐採の制限―の4項目。

 

 課題ごとに関係機関と専門家らで構成する特別チームを設置して対策を検討し、報告書をまとめる方針。2022年12月1日までにユネスコに提出する。

 

 ロードキルについて、委員から「それぞれの地域でこれまで対策を練ってきたが、残念ながら画期的な防止に至っていないのが事実」と指摘があり、今後の対策について「もう少し強い、(事故を)回避できるような大きな変更をしないと駄目なんじゃないか」と要望があった。

 

 遺産委の要請以外に、ユネスコの諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)が指摘した外来種対策や希少な動植物の違法採集についても対応の方針が示された。

 

 委員から、奄美大島や徳之島で今年夏、法令違反とならない大量の昆虫採集の事案があったとして、「遺産地域の外側や、希少種でなければ大量に取ってもいいのか。違法ではないが、生態系をかく乱する恐れがある」と規制の強化を求める意見があった。

 

 同日付で会議の名称を「世界自然遺産候補地科学委員会」から改定した。