3割超が予約なし 夏以降、車両規制導入へ ナイトツアー実証実験結果 奄美市住用町

案内板をみながら野生生物の観察ルールなどを説明するガイドとツアー客=4月29日、奄美市住用町

案内板をみながら野生生物の観察ルールなどを説明するガイドとツアー客=4月29日、奄美市住用町

 夜間に野生生物を観察するナイトツアーの増加を受けて、環境省などが奄美市住用町の市道三太郎線周辺で実施した車両通行規制の実証実験結果(速報)がまとまった。4月29日~5月9日の11日間で、夜間に通行した車両は153台。実験では三太郎線の通行を予約制とし、1時間4台に利用を制限したが、予約をしていない車両が51台と全体の3割以上を占め、多い時で1時間に7台の通行があった。今年夏以降、通行規制を試行的に導入する方針で、同省は「(規制方法に)改善の余地がある。実験結果を分析して対策を検討する」としている。

 

 実験は三太郎線の東仲間│西仲間の約10キロの区間で午後7時から翌朝6時に実施。両入り口から通行できる台数を30分おきに1台に制限し、インターネットなどで予約を受け付けた。入り口にスタッフは配置せず、案内板で時速10キロ以下で走行することや、車両同士で譲り合って野生生物を観察することなど利用ルールを紹介。自動撮影カメラで利用状況を調べた。

 

 環境省によると、通行した車両は5月2日が25台で最も多く、3、4日が各20台、4月30日が19台と続き、大型連休中に集中する傾向がみられた。予約して通行した車両はガイド74台、個人28台の計102台。予約したものの通行が確認されなかった車両も11台あった。

 

 実証実験は環境省と官民の関係機関・団体で構成する三太郎線周辺の夜間利用適正化連絡会議が実施。今年夏の世界自然遺産登録に伴うナイトツアーの増加を見据えて、アマミノクロウサギなどの交通事故や、通行をめぐる利用者同士のトラブルを防止する目的で、昨年11月に続いて2回目。規制に法的強制力はなく、利用者に協力を求めた。

 

 規制の導入に向けて、今後は実験結果を分析した上で住民説明会を開き、利用ルールをまとめる方針。

 

 実験についてはチラシを島内全戸に配布し、レンタカー会社や観光施設の協力で来島者に周知した。奄美群島国立公園管理事務所の山根篤大国立公園保護管理企画官は「予想以上に予約のない利用者が多かった。周知は十二分に図ったつもりだが、観光客を含め実験を知らない人もいたと思う」と実験結果を受け止め、「現地に365日毎晩スタッフが立つのは現実的ではない。繁忙期や集中する時間帯について対策を考えていく必要がある」と述べた。