◎車両規制、実証実験終了―金作原国有林周辺

2018年02月23日

政治・行政

規制区間の入り口で通行証を受け取る認定ガイドの車両=22日、奄美市名瀬知名瀬

規制区間の入り口で通行証を受け取る認定ガイドの車両=22日、奄美市名瀬知名瀬

 世界自然遺産登録による観光客の増加を見据えて、奄美市名瀬の金作原国有林周辺で車両規制を行う利用ルールの実証実験は22日、1週間の日程を終了した。事前に登録したエコツアーガイドの車両と貸し切りバスの期間中の利用台数は計39台。実験ルールに法的拘束力はなく、規制区間の入り口で乗り入れの自粛を求めたものの、金作原方面へ向かった一般車両は7台。一方、引き返した車両も8台あった。

 

 実証実験は環境省、林野庁、奄美市、民間団体などで構成する奄美大島利用適正化連絡会議が実施。車両の利用を制限することで、自然遺産候補地の金作原の自然環境を保全し、混雑を緩和して観光客に質の高い自然体験の提供を図る目的。実証実験を踏まえて本格的な利用ルールの導入を目指す。

 

 規制区間は、国有林内を横断する金作原林道に接続する市道奄美中央線と、市道と麓の知名瀬集落を結ぶ林道、農道の計約9・3㌔。

 

 期間中、事前に登録した奄美群島エコツーリズム推進協議会の認定ガイドと貸し切りバスには現地で通行証を交付し、一般車両には乗り入れの自粛を求めた。同じ時間帯に利用できる車両の上限はガイドが8台、バス2台とし、ガイド1人当たりの案内人数は15人以下とした。

 

 事務局の県自然保護課によると、16~22日の期間中、事前に登録した利用車両の内訳は認定ガイド34台、バス5台。1日平均5・5台で、20日が7台と最も多く、22日が最も少ない4台だった。

 

 県自然保護課の大西千代子・奄美世界自然遺産登録推進室長は「実験を周知したことで、事前に利用を自粛した人もいると思う。多くの人が趣旨を理解し、協力してもらった。実験の結果を踏まえて関係者で情報を共有し、今後のルールづくりに生かしたい」と述べた。