一般会計総額は338億円=奄美市の18年度当初予算案

2018年02月24日

政治・行政

☆2.24付奄美市予算 奄美市は23日、2018年度当初予算案を発表した。一般会計総額は17年度当初比6・5%(20億5604万1千円)増の338億2009万1千円。市役所本庁舎建設事業の伸びに伴い2年ぶりのプラス予算で、06年の合併以来、最高額となった。大型プロジェクトの完了時期を迎え、「子育て支援・教育環境の充実」「防災力強化」に重きを置いた予算配分。目玉は対象を中学生まで引き上げた子ども医療費の全額助成。会見した朝山毅市長は「ハード、ソフト両面でバランスが取れたと自負している。奄美に吹く風をしっかり捉えた予算編成にしたい」と述べた。

 

 【歳入】自主財源は68億1987万2千円、前年度当初比15・4%の増。柱となる市税は37億4386万9千円。個人所得分の増加を見込み、1・4%増加した。財産収入(前年度当初比116・7%増)と諸収入(同14・9%減)の増減は名瀬・住用地区給食センター稼働に伴い、学校給食費収入が公会計に切り替わるため。

 

 17年度に好調な伸びを示したふるさと納税(寄付金)は前年度当初比1億円増の2億円を計上した。

 

 歳入全体の79・8%を占める依存財源は総額270億21万9千円。このうち地方交付税は116億8177万円で1・2%の減。市債は本庁舎整備事業に伴う合併特例事業債の増で32・2%(14億8100万円)増加した。

 

 【歳出】人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費は178億9766万6千円。0・7%増加した。このうち高齢者や生活困窮者らの支援に充てられる扶助費は1・3%増で、全体の4分の1強を占める。借金の返済に充てる公債費は42億1156万円で2・6%の増。

 

 投資的経費のうち、普通建設事業費は70億4794万9千円で40・4%伸びた。本庁舎や給食センター整備、18年度から本格化する市民交流センターなどの大型公共事業が要因。

 

 その他の経費では、ふるさと納税や大型事業に伴う減債基金への積み替えで積立金が48・2%の増となった。

 

 地方創生関連事業費は前年度当初比約1・9億円増の5億4千万円と大幅に伸びた。世界自然遺産登録推進事業は13事業約2億円、ふるさと納税活用事業は20事業約6千万円をそれぞれ盛り込んだ。

 

 観光振興策として世界自然遺産唄島プロジェクト事業1千万円を計上したほか、光ブロードバンド整備事業は18年度末で市内全域の整備完了を目指す。

 

 子育て支援では医療費全額助成を小学校から中学校卒業までに拡充。防災関連は▽マンホールトイレ整備事業計画策定▽笠利東部地区の簡易水道再編推進事業―などに取り組む。

 

 特別会計のうち、国民健康保険事業は運営主体が県に移行する関係で20億7955万4千円(前年度当初比28・4%)の減。

 

 一般会計と特別会計、水道会計を合わせた全12会計は合計493億5329万7千円となった。会計間の繰り入れ、繰り出しを除いた純計は466億7086万8千円。前年度当初に比べて0・1%減少した。

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 奄美市議会は23日、全員協議会を開き、18年度予算等審査特別委員会の委員構成を決めた。