中央管理所が落成 国営地下ダム事業 沖永良部島

2020年03月28日

政治・行政

中央管理所の落成を記念し、テープカットする関係者=26日、知名町

中央管理所の落成を記念し、テープカットする関係者=26日、知名町

 【沖永良部総局】国営沖永良部農業水利事業(通称・地下ダム事業)の中央管理所建築工事落成式が26日、知名町竿津の同所であった。国営の水利施設の維持管理を目的としており、国が和泊、知名両町に管理を委託し、両町が沖永良部土地改良区に操作委託して管理する計画。式に出席した関係者は中央管理所の落成を祝った。

 

 中央管理所は、沖永良部高校に近い県道沿いに整備。鉄筋コンクリート造り2階建てで延べ床面積は416平方メートル。主に1階は操作室や事務室、2階には会議室がある。

 

 中央管理所本体工事は昨年6月から始まり、今年3月16日に完了。設計施工、車庫棟などを含めた事業費は約3億4千万円。主に水利施設の維持管理や用水路の流量監視などを行う。

 

 式には施工者、沖永良部農業水利事業所や県沖永良部事務所、和泊・知名両町の関係者らが出席。銘板除幕式やテープカットで落成を祝った。

 

 建築主あいさつで水利事業所の馬場範雪所長は「農業水利事業の一番要となるのがこの中央管理所。用水路の流量を一元的に管理し、島全体に公平で過不足なく配水できるよう日々管理するのが目的。施設は両町のちょうど境にあり、沖永良部高校と同様に二つの町を結びつける象徴の建物と思う。受益者など関係者だけでなく島民の皆さんに開かれた施設であってほしい」と期待を寄せた。

 

 国営地下ダム事業は2007年度に着手。地下にダムを設け、揚水機場、用水路などの基幹施設を整備。さらに付帯事業(県事業)で末端のかんがい施設整備と区画整理を行い、安定的な用水確保による農業生産性の向上と、農業経営の安定につなげる目的。

 

 受益面積は1497ヘクタール(和泊町704ヘクタール、知名町793ヘクタール)。国営の総事業費は約350億円。現在の進捗(しんちょく)率は事業費ベースで約84%。21年度に完工予定。