全国離島住民組織が奄美視察 全推連

2019年07月07日

政治・行政

宇検村の奄美大島開運酒造の工場見学で、音響熟成の説明に聞き入る参加者ら=6日、宇検村

宇検村の奄美大島開運酒造の工場見学で、音響熟成の説明に聞き入る参加者ら=6日、宇検村

 全国の離島在住の有志で組織する団体「全国離島振興推進員連絡委員会」(全推連、事務局東京都)は、島づくりのヒントを探ろうと奄美大島を訪れ、6日、1市2村を視察した。大和村国直集落の体験観光の在り方や、宇検村の元地域おこし協力隊員の島暮らしに耳を傾け、各自の暮らす島の課題と照らし合わせていた。

 全推連は、全国の離島市町村長で組織する「全国離島振興協議会」の関連組織。毎年全国の離島で視察を行い、地場産業の現状や、地域おこしの在り方を模索している。今回奄美を訪れたのは寒風沢島(宮城県塩竈市、人口約100人)や初島(静岡県熱海市、人口約200人)など10島に住む役員13人。

 5日に奄美入りし、6日は体験観光を行う大和村国直集落のNPO法人「TAMASU(タマス)」の案内で集落歩きをしたほか、宇検村では奄美大島開運酒造や「とよひかり珈琲店」などを訪れ、意見交換をした。

 とよひかり珈琲店では、宇検村の元地域おこし協力隊員で店主の浅尾朱美さんが自家焙煎したアイスコーヒーを試飲。浅尾さんが隊員時代に村民たちと改装した古民家の店舗で、任期終了後も定住するに至った理由などに耳を傾け、意見を交わした。

 三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台として知られる三重県鳥羽市の神島(人口約350人)在住の全推連会長・藤原隆仁さんは「奄美大島は離島といえど全国的には大きな島。一概には比較できないが、格安航空が島の観光に大きな影響を及ぼし発展している様子は、先進事例として興味深い」と話していた。