奄振法延長・拡充に総力―天城町で群島議員大会

2014年05月02日

政治・行政

奄振法延長・拡充に総力―天城町で群島議員大会 第56回奄美群島市町村議会議員大会(群島市町村議会議長会主催)が16日、天城町のB&G海洋センター体育館であった。12市町村の議員や首長など約200人が出席。2014年度以降の奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)の延長・拡充や徳之島での産婦人科医師確保など議題8項目を採択した。
審議に先立ち、県選出の徳田毅、保岡興治の両衆議院議員(いずれも代読)と、奄美市区選出の与力雄、大島郡区選出の●久伸一郎の両県議が国政、県政について報告。県の総合調査や奄美群島の10年後の姿を模索する成長戦略ビジョンに基づき、自立的発展に向けては本年度末に期限を迎える奄振法の延長・改定が必要と訴え、法延長実現へ官民一体の取り組みを求めた。
 議題は①亀徳港の総合的な早期改善②鹿児島新港における農産物荷捌場の施設整備③TPP(環太平洋連携協定)交渉におけるサトウキビ・畜産などの例外品目扱い④輸送・航空運賃支援事業の創出―など。
 輸送・航空運賃支援事業創設(議長会提案)については「群島内外との交流促進による地域活性化に向け、航空運賃の軽減策を」と要望。TPP交渉でのキビ、畜産分野の取り扱い(奄美市提案)では「キビと畜産は群島農業生産額の5割を占める。TPP交渉で関税が撤廃された場合、奄美の経済は大きな打撃を受ける」などと指摘した。
 徳之島の産婦人科医師確保は地元3町の議会が追加提案した。同島では今年10月以降、産科医が不在となる恐れがあり、「島で安心して子どもを生み、育てることができなくなる」と懸念。産婦人科医師の確保を群島共通の課題と位置付け、全体での取り組みを訴えている。
 決議は17項目。提出議題にも掲げられた奄振法の延長・拡充、輸送コスト改善のほか、▽雇用の確保・拡充▽離島での消費税軽減措置の創設▽名瀬測候所の気象台昇格―など。「奄振法の延長に向け総力を結集する」などとする宣言も満場一致で採択した。