奄美市、新生児に一律10万円 高齢者支援も、コロナ対策第4弾

2020年10月30日

政治・行政

10月1日から高齢者優先で始まったインフルエンザワクチン接種=1日、奄美市(写真と本文は直接関係ありません)

10月1日から高齢者優先で始まったインフルエンザワクチン接種=1日、奄美市(写真と本文は直接関係ありません)

 奄美市は29日、総額2億5830万円の新型コロナウイルス感染症緊急対策事業第4弾を発表した。国の特別定額給付金の基準日(4月27日)以降に誕生した子どもへ一律10万円を支給する新生児特別給付金、高齢者のインフルエンザワクチン接種費用の全額助成など、子育て世帯や高齢者支援を軸に予算配分。店舗のコロナ対策費助成や島民向け宿泊・体験プログラム助成事業の予算拡充など、経済活動回復に向けた各種支援策も盛り込んだ。

 

 緊急対策事業は生活支援(子育て世帯応援)、感染拡大防止対策、経済対策を柱に予算編成した。同日の市議会全員協議会で当局が報告した。

 

 新生児特別給付金は4月28日から来年4月1日までに生まれた新生児に給付する。国の制度対象から漏れた、同学年の子どもを一律支援するための独自策。

 

 6歳以下の未就学児がいる世帯には、1人当たり5000円分の商品券「ほーらしゃ券」も支給する。島外の学校に通学する高校生や専門学校生、大学生、大学院生には激励金3万円を給付する。

 

 感染防止対策では、新型コロナとの同時流行が懸念されるインフルエンザに備えるため、65歳以上高齢者らのワクチン接種費を全額助成する。対象者は最大1万3500人を想定した。

 

 小売店や飲食店、理美容店などのコロナ対策費用を助成する店舗感染防止対策支援事業は、5100万円を計上した。消毒器やフェースシールド、加湿器などの設備整備費が対象で、補助率は100%(1店舗当たり上限10万円)。

 

 財政課は「国、県の補助事業が10月末で終了するが、消費活動が活発化するのはこれから。感染防止を徹底してもらうため、市独自に継続する」と説明した。

 

 PCR検査費助成事業は、老人福祉施設や社会福祉施設で感染が確認された場合、行政検査対象にならなかった施設関係者の検査費用(1人当たり2万8000円)を全額助成するもの。対象は65歳以上の希望者。

 

 水際対策では、体の表面温度を測るサーモグラフィーを5台購入する。利用者の多い施設や各種行事での無償貸与を想定しており、12月中の導入を目指す。

 

 経済対策として、島民向け宿泊・体験プログラム助成事業に4300万円追加した。2020年度9月補正と合わせた市予算分は6000万円。島内5市町村が連携して取り組むことで、観光需要の喚起や地元の魅力再発見につなげたい考え。

 

 同日付で、第4弾予算を盛り込んだ20年度一般会計補正予算案(第8号)を専決処分した。財源のうち、国庫補助金を除く2億5680万円は財政調整基金を取り崩した。

 

 一般会計総額は過去最大の401億円規模。19年度3月補正以降の新型コロナ関連予算は累計62億5000万円となった。