安田氏42歳、初陣飾る 奄美市長選、永井氏に圧勝

2021年11月15日

政治・行政

奄美市長選で初当選を果たし、笑顔で万歳三唱する安田壮平氏(中央)=14日午後9時半ごろ、奄美市名瀬

 任期満了に伴う奄美市長選は14日、市内33カ所で投票が行われ、即日開票の結果、元市議の安田壮平氏(42)=無所属新人=が1万8100票を獲得、元県議の永井章義氏(64)=同=を約1万1000票差で破り、初当選を果たした。保守分裂の様相を呈する中、安田氏は「奄美を前に進めよう」と訴え、幅広い支持を得て初陣を圧勝で飾った。2006年の市町村合併で奄美市が誕生して以降、最年少の市長。12年ぶりの首長交代とあって有権者の関心は高く、投票率は前回17年を24・20ポイント上回る72・26%だった。

 

 開票作業は午後8時から名瀬小学校体育館であった。同9時の開票中間は3700票ずつ。同9時半の開票中間で、安田氏の得票が投票総数の過半数となり、当落が決まった。

 

 安田氏は「若さと行動力」を前面に打ち出し、88の公約を掲げた。市民有志による世話人会を軸とした選挙戦を展開。地元選出の県議、自民系などの市議5人が全面的に支援した。

 

 3月に市議辞職後、7月6日にいち早く立候補を表明。「政治活動の原点」と語る朝のつじ立ちで浸透を図りつつ、SNS(会員制交流サイト)を駆使した戦略で若者票の掘り起こしも進め、幅広く支持を得た。

 

 永井氏は「経験と人脈」をアピールしながら新型コロナウイルス対策や観光振興、子育て支援などを訴えた。自民系と公明の市議12人が支援を表明。元市長や元県議らが選対に加わり組織戦を展開したが、届かず。安田氏に大差をつけられた。

 

 06年の奄美市誕生以降、市長選が選挙戦となったのは4回目。今回の投票率は、旧名瀬市長と元大学教授の新人が争った06年(76・99%)などには至らなかった。

 

 当日有権者数は3万4992人(男1万6594人、女1万8398人)。投票者数は2万5286人(男1万1758人、女1万3528人)で、無効は128票だった。