来島自粛を要請 与論町長「感染拡大を懸念」

2020年07月25日

政治・行政

来島自粛要請の内容などを確認した与論町感染症対策本部=24日、同町役場

来島自粛要請の内容などを確認した与論町感染症対策本部=24日、同町役場

 与論町新型コロナウイルスの感染拡大を受け、町感染症対策本部長の山元宗町長は24日、与論島への旅行者や町民らに対し、来島自粛や不要不急の外出自粛などを呼び掛ける緊急メッセージを発表した。山町長は「今後も感染拡大が懸念される」と危機感を示し、理解と協力を求めた。

 

 町長やヨロン島観光協会、旅館業組合の代表者などで24日、会合を開き、来島自粛要請を決めた。メッセージは町の防災行政無線やホームページで発表。感染予防の徹底、根拠のないうわさの拡散など風評被害につながる行動の自粛も呼び掛ける。

 

 町幹部や消防、保健センター担当者などで構成する対策本部も24日、会合を開いた。来島自粛要請の内容を確認し、町職員の感染が確認されたことを受け、役場庁舎内の新型コロナウイルス感染症の予防・対応マニュアルをまとめた。

 

 ヨロン島観光協会は独自の来島自粛要請文を協会ホームページなどで発信した。これを受け、島内のテークアウトを含む飲食店や観光レジャー施設なども相次いで臨時休業を決めた。

 

 観光協会の町岡安博事務局長(55)は「感染された人の一日も早い回復を願う。町民や来島者の安心安全が何よりも大事。みんなで協力してこれ以上感染が拡大しないように努めていきたい」と話した。

 

 同町でホテルを経営する男性(30)は「稼ぎ時だが、そんなことを言っている状況ではない。来島自粛要請は島を守るために賢明な判断。予約客にも電話して与論の感染状況を伝えている。コロナが収束し、安心して観光を楽しめるようになったら、改めて与論に来てほしい」と語った。