男性優遇」なお根強く 共働き家庭の育児支援策も 男女共同参画 市民意識調査―奄美市

2018年05月08日

政治・行政

000 奄美市はこのほど、男女共同参画に関する市民意識調査報告書をまとめた。男女の地位に関し、「社会通念や慣習、しきたり」で7割超、「地域社会」では過半数が「男性が優遇されている」と回答。日常生活での性別による役割分担意識や慣行が根強く残っている実態が分かった。自由意見では子育て世代が働きやすい環境整備や、学校教育での啓発を求める声がみられた。

 

 アンケートは市男女共同参画基本計画(2012~21年度)の後期計画スタート(17年度)に合わせ、実態把握や施策推進、市民サービスの充実につなげようと初めて実施した。

 

 調査期間は17年10、11月の2カ月間。無作為抽出した市内在住の成人男女1500人に郵送し、470人(男206、女264)から回答を得た。

 

 報告書によると、各分野ごとに男女の地位の平等を尋ねた項目で、「平等である」の回答が最も多かったのは「学校教育」の66%だった。

 

 一方、男性が「非常に優遇」「どちらかといえば優遇」の合計割合が高かったのは「社会通念、慣習、しきたり(71・5%)」や「地域社会(52・5%)」など。「法律や制度」は37・5%にとどまったが、この回答を性別で比較すると、男性23・3%、女性48・4%と男女間の意識に25・1の差が出た。

 

 女性リーダーや管理職を増やす上での課題は「保育、介護、家事で家族の支援が十分ではない」が女性64・4%に対して男性40・3%。「保育、介護支援など公的サービスが十分でない」は女性53・4%、男性37・9%と、いずれも男女間の差が目立った。

 

 女性が出産後も同じ職場で継続して働くために必要なこととして、78・9%が「保育所や学童クラブなど子どもを預けられる環境の整備」を挙げた。

 

 人権問題については女性の3人に1人が、配偶者や親しい異性からの暴力や嫌がらせを一度でも受けたと回答。男性は15%だった。

 

 自由意見では「男尊女卑が根深い」(50代女性)、「意識改革が必要」(40代男性)、「学校教育で浸透を」(50代男性)との指摘や提案があった。