県内旅行で宿泊、交通費助成 鹿県

2020年05月23日

政治・行政

記者会見で数値目標やキャンペーン内容などを説明する三反園知事=22日、鹿児島市の県庁

記者会見で数値目標やキャンペーン内容などを説明する三反園知事=22日、鹿児島市の県庁

 県は22日、新型コロナウイルスで打撃を受けた経済活動の再開へ向け、県内旅行の宿泊費や交通費支援などのキャンペーン事業を実施すると発表した。宿泊費支援など旅行に関する事業の実施に当たっては、新規感染者数などクリアすべき数値目標(鹿児島モデル)を設定。併行して、プレミアム商品券や飲食店で使用可能なクーポンの発行なども行い、県内の経済活性化を図る。

 

 鹿児島モデルでは、直近1週間の指標として▽新規感染者数2人未満▽感染経路不明者なし▽PCR検査陽性率3・5%未満│を目標に設定。達成、維持を条件に、旅行関連費用などを助成する「ディスカバー鹿児島」キャンペーン事業を実施する。

 

 キャンペーンは▽県民向け▽県外向け│の2通りでメニューを設定。県民向けのメニューでは、県内の宿泊施設利用助成として1人当たり最大1万円(2万人分)の宿泊券や、1組3千円のタクシー券を発行。県内バス旅行の割引商品(運賃の半額、最大1万円)も設定する。

 

 県外向けでは、鹿児島県を訪れる観光客を対象に、特産品プレゼントや伝統文化の体験メニュー(1人当たり5千円、総額1億円)を用意。タクシーやレンタカーの利用割引制度も設ける。

 

 三反園訓知事は同日、記者会見を開き「感染者が31日間出ていないことを踏まえ、次のステージに進みたい」と述べ、鹿児島モデルの数値目標達成と景気支援策に意欲を示した。数値の根拠について「現時点でも感染者の発生が続いている大都市圏と比較し、厳しく設定した」と説明した。

 

 県によると、ディスカバー鹿児島キャンペーンの県民向けメニューは6月20日のスタートを見込んでおり、数値目標が達成、維持できなかった場合の対応は今後、調整する。

 

 経済支援策ではこのほか、5千円分を4千円で購入できるプレミアム付き商品券(子育て世帯は1冊に限り3千円)や、スマートフォンのアプリを利用した飲食店などの割引クーポン発行も予定。これらの事業費を盛り込んだ2020年度補正予算案を、県議会6月定例会に提案する。