陸自配備めぐり意見交換 市民と初の語る会 奄美市議有志

2018年10月26日

政治・行政

陸自部隊配備について奄美市議と市民が意見交換した語る会=24日、同市名瀬

陸自部隊配備について奄美市議と市民が意見交換した語る会=24日、同市名瀬

 奄美市名瀬の陸上自衛隊部隊配備計画で、奄美市議会議員有志は24日、奄美文化センターで市民と語る会を開いた。市議側は自民、自民新風、共産、社民の8人が出席。市民は20人余りが参加した。中距離地対空誘導弾(中SAM)部隊配備の是非を含め、賛成、反対の立場からそれぞれ意見を交わした。

 

 陸自部隊は来春の配備が予定されている。市議会には昨年、住民説明会開催を求める陳情3件が市民団体から出されたが、いずれも不採択に。今年の9月定例会では、ミサイル部隊配備反対決議を求める陳情が提出団体の申し出により取り下げられた。

 

 こうした中、語る会は市民の声を議員活動に生かそうと三島照議員(共産)の呼び掛けで初開催された。市議からは誘致活動を行った賛成派と、反対派の双方が出席した。

 

 反対派の住民からは配備の是非を問う市民投票の実施を求める声や、世界自然遺産登録への影響を懸念する声が上がった。反対の立場を取る議員は陸自西部方面隊の鎮西演習に言及し、「島民を守るのではなく離島防衛の演習。議会の望んだ自衛隊が本当に配備されるのか」と疑問を呈した。

 

 誘致活動にかかわった市議は「戦争のためではなく南西諸島を守るもの」と専守防衛の立場を強調。誘致理由に迅速な災害対応や経済波及効果などを挙げた。

 

 中SAM部隊に関しては反対の市民が「軍事攻撃の標的になるのでは」と指摘。別の市民は「誘致後に計画が分かった。自衛隊配備はもう一度判断すべきだった」と訴えた。

 

 賛成派の議員は「車両に載せて展開できるミサイルで、他の島々への配備も可能。西日本で8カ所ある。奄美諸島を守るためのミサイルと認識している」と説明した。