20年度は50頭駆除へ 野生シカ繁殖問題 喜界町

2020年10月11日

政治・行政

BMC CAMERA  喜界島で野生化したシカが繁殖している問題で、喜界町が本格的な駆除事業を進めている。農作物への被害拡大が懸念されていることから、生息数を徐々に減らして根絶する計画。猟友会の協力を得ながら2020年度は50頭を目標に駆除する方針。

 

 町は2017年度から駆除事業に着手。17年度20頭(うち幼獣6頭)、18年度37頭(同3頭)、19年度40頭(幼獣ゼロ)を駆除し、20年度は10月1日現在、36頭(同1頭)を捕獲、駆除している。

 

 町農業振興課によると、サトウキビやタンカンなどの新芽、カボチャの実、牧草などの食害が発生しており、今後さらに他の作物への被害が拡大することが懸念されているという。

 

 町は18年度、効率的に捕獲作業を行うために生息実態調査を実施。島内20カ所に自動撮影カメラを設置して調べた結果、島の中央部に広がる百之台公園から、北部の志戸桶、小野津、佐手久など各集落の林などに多く生息していることが分かっている。

 

 シカは繁殖能力がとても高いことで知られる。町は定期的に生息調査を実施しながら、推定される生息数の2割を超える頭数を目標に駆除し、根絶を図る計画だ。

 

 同島のシカは、人為的に持ち込まれた個体が10年ほど前に所有者から逃げ出し、野生化して増えたとみられている。