「やっと」喜び爆発 待ちわびた「登録」に地元湧く 世界自然遺産登録決定

「ワイド、ワイド」の掛け声に乗り、手舞で喜びを表現する出席者=26日午後6時42分ごろ、天城町防災センター

 「これからがスタート」「豊かな自然を次世代へ」―。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は26日、オンラインで開かれ、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の世界自然遺産登録が決まった。鹿児島県は県内3会場で関係者による視聴会を開催して審査の模様を見守った。2003年の候補地選定から18年越しの「夢」が実現し、来場者らは六調やくす玉開きで喜びを爆発させた。

 

 奄美会場は午後6時すぎから奄美市役所であった。新型コロナウイルス対策のため、出席者を行政、関係団体など約50人に限定。奄美大島5市町村長はアマミノクロウサギやアマミセイシカなどをあしらったそろいのシャツで臨んだ。

 

 会場では2階正面に設置したスクリーンを使い、世界遺産委員会の審議状況を日本語訳付きで配信した。合間には各会場の様子も紹介された。

 

 「登録決定」の報が流れたのは同6時40分ごろ。審議開始から約5分のスピード決議となり、出席者からは驚きの声とともに拍手が沸き起こった。地元出身の歌手、元ちとせさんと中孝介さんも参加してにぎやかな六調が響く中、市職員のハブ隊が登場。躍動感あふれる踊りで花を添えた。

 

 県内3会場と沖縄県5会場を中継で結び、両県同時のくす玉開きも行われた。

 

 遺産登録を受け、奄美大島の首長からはさらなる自然保護活動の推進を重視する声が上がった。

 

 伊集院幼大和村長は「登録はスタート。先人から受け継いだ自然環境、伝統文化を次の世代に引き継いでいく責任がある。生き物と人が共存できるよう今まで以上に保護活動に取り組む」と力強く語った。

 

 元山公知宇検村長は「世界自然遺産登録に尽力した関係各位、地域住民と登録を祝えることをうれしく思う」と声を弾ませ、「世界に誇れる島になれるよう、島民の機運醸成などに努めていく」とも語った。

 

 鎌田愛人瀬戸内町長は「自然環境を次世代に引き継ぐとともに、人々の暮らしを守るという重い責任を感じる。自然遺産にふさわしい奄美大島となるよう関係機関、島民と共に頑張っていきたい」と語った。

 

 竹田泰典龍郷町長は「遺産登録は先人が守り継いできた『宝』を後世に伝えていくための手法」と強調。「質の高い観光の実現と利用者満足度の向上も図り、世界基準の豊かな自然を国内外へPRしていく」と力を込めた。

 

徳之島会場は午後6時半から天城町防災センターであった。新型コロナウイルス感染防止対策として、徳之島3町の首長や行政担当者など出席者を約50人に限定して行った。

 

 「登録決定」の吉報が届いたのは午後6時40分過ぎ。会場からは大きな拍手に続いて太鼓の音とともに「ワイド、ワイド」の歓声が上がり、立ち上がった出席者が大きな輪を作って手踊りするなどして喜びを表現した。

 

 その後は県内3会場と沖縄県5会場を中継で結び、両県同時にくす玉を割って遺産登録を祝福した。視聴会終了後に共同記者会見もあり、高岡秀規徳之島町長は「生物多様性の希少価値のある自然を守らなければいけない重い責任を感じている。住民の理解を得ながら自然保護と経済活動を両立させるよう、自治体が一丸となって取り組まなければいけない」と力を込めた。

 

 森田弘光天城町長は「島の宝、世界の宝になった遺産価値を世界中の人に紹介できることをうれしく誇りに思う。自然保護の対策を講じ、未来へ自然を引き継いでいく決意」、大久保明伊仙町長は「遺産登録はこれまで数え切れない人が努力してきた結果であり、心から感謝。(私たちにとって)100年、200年、さらにその先のことを考え、島をどうしていくかが試される」と話した。