「大変な頃に逆戻り嫌」 奄美大島 観光業、感染拡大に懸念

年明け以降、新型コロナ感染拡大への警戒が強まっている奄美大島=6日、奄美市

新型コロナウイルスの感染者が増加している奄美大島で、経済活動への影響を懸念する声が広がっている。これまでも大規模感染で大きな影響を受けた観光業関係者からは「一昨年や昨年の大変だった頃に逆戻りしたくない」といった切実な声が聞かれた。一部の施設では予約のキャンセルも出始めており、感染拡大への警戒が強まっている。

 

国の緊急事態宣言と、まん延防止等重点措置が解除された昨年10月1日以降、世界自然遺産登録なども追い風に旅行需要が回復。活気を取り戻しつつあった奄美大島の観光業界だが、新たな変異株「オミクロン株」が国内各地で広がり始めた昨年末ごろから、徐々に不安が高まっていた。

 

県内で61人の新規感染が発表された6日、島内のあるホテル関係者は「そのうち島にもまた感染が広がるだろうと、予想も覚悟もしていたつもりだが、思いのほか早かった。ここ数日の島内での感染状況はショックが大きい。一昨年から大変な思いを続け、やっと良くなってきたので、できればもう逆戻りしたくない」と吐露した。

 

このホテルでは6日までにコロナによる宿泊の予約キャンセルなどはないものの、宴会の新規予約などは鈍化傾向という。

 

レンタカー業者にも影響が出始めている。奄美市笠利町にあるオリックスレンタカーのスタッフ、福原美津佳さん(48)は「現時点で影響は大きくないが、キャンセルが少しずつ目立ってきている。コロナが始まって以降ずっと同じような状況なので、あまり気にせず前向きに考えるようにしている。店内では検温や消毒、手洗いを呼び掛けており、車内の消毒も徹底し感染対策を続けていきたい」と話した。

 

カヌー体験が人気の奄美市住用町の黒潮の森マングローブパークでは、年明けから団体ツアーのキャンセルが増え始めた。「世界自然遺産登録の効果もあって、せっかく良くなっていたのに」と稲元義人管理課長(61)はため息をついた。

 

緊急事態宣言が解除された昨年10月から順調に客足は戻り、1月はほぼ毎日、ツアーの予約が入っていた。「せっかく奄美に来てもらって、カヌーを楽しんでもらえないのは残念。施設から感染者が出ると閉館になってしまう。マスクの着用と手洗い、換気を重点に感染防止対策をしっかり心掛けたい」と語った。

 

旅行者も感染症対策に留意しつつ、島内観光を楽しんでいる。家族と3泊4日の日程で来島した30代女性は「旅行は12月から計画を立てていた。(コロナ禍で)来ていいものかと少し悩んだが、大阪で外出をしばらく控えてから来島した。人混みを避けて観光しようと思う」と話していた。