たばこ値上げ “また”嘆く愛煙家 広がる禁煙歓迎も 奄美市

10月からほとんどの銘柄が値上げするたばこの商品棚=28日、奄美市名瀬の小売店

 10月から暮らしに関わる税金や制度が見直される。たばこ税も増税となり、ほとんどの銘柄が値上げする。「たばこを吸える場所が減って肩身が狭い上に、さらに懐が厳しくなるのはつらい」と愛煙家が嘆く一方、「喫煙者が減るのであれば値上げは大歓迎」とする嫌煙家。たばこの価格改定をめぐる受け止めはさまざまだ。

 

 たばこ税は2018年から3段階で見直されてきた。日本たばこ産業(JT)は今回、紙巻きたばこを1箱10~40円、葉巻きたばこを90~110円、加熱式を30円引き上げる。その他のメーカーの主要銘柄も値上がりする。紙巻きたばこでは1箱600円となる銘柄も出てきた。

 

 愛煙歴20年という奄美市名瀬の団体職員男性(43)は「また値上げか、という感じ。正直慣れてしまってやめる選択肢はない。ただ、パチンコ店や飲食店でも吸えなくなり、奄美でも吸える場所が減りつつある。周囲の目も気になる。肩身は狭い」とがっくり。

 

 これまで2度、禁煙に挑戦して失敗したという同市名瀬の会社員男性(30)も「値上げを機にやめたいが…。飲みに出る機会があるとどうしても吸ってしまう。いっそのこと1000円ぐらいにしてくれたらいいのに」とこぼした。

 

 他方、たばこを吸わない人からは値上げを歓迎する声が多く聞かれる。同市名瀬の無職女性(52)は「たばこを吸う人が近くにいるとにおいや受動喫煙が気になる。最近は飲食店でも禁煙の店が増えて吸わない人も快適に過ごせるようになった。値上げでたばこを吸う人が減ることにつながればいいと思う」と話した。

 

 禁煙希望者の受け皿として禁煙外来を設ける「よしかわクリニック」(同市名瀬)によると、毎月2人程度から相談があり、飲み薬による治療で約7割が禁煙に成功しているという。

 

 現在、海外の製薬会社から国内への治療薬の出荷が停止中のため、禁煙外来は一時休診としているが、嘉川潤一院長は「禁煙したいという相談は、以前たばこが値上がりしたときに比べて最近は落ち着いた印象。相談者は50代の男性が多く、自身の健康のためだったり、値上がりをきっかけにやめたいという理由がほとんど」と話す。

 

 厚生労働省の統計によると、習慣的に喫煙している人の割合(2019年)は全体で16・7%(男性27・1%、女性7・6%)。10年前の09年に比べて全体で6・7ポイント減少した。