コロナ禍と修学旅行 感染確認相次ぎ悩む各校

合同修学旅行の計画を話し合う嘉鉄、篠川両小学校の児童ら=19日、瀬戸内町

 新型コロナウイルス感染確認が奄美群島内外で相次ぐ中、多くの小中学校が修学旅行の時期や行き先に頭を悩ませている。1学期中の計画が秋以降に続々と延期される一方、5月中に決行したケースも。国と県は、感染状況を考慮し、対策を講じた上で実施するよう各市町村教育委員会を通じて依頼。各校は児童生徒らの期待と感染不安の中、難しい判断を迫られている。

 

■最終学年「中止は嫌だ」

 

 コロナ禍1年目の昨年度、修学旅行は多くが秋ごろに延期され、行き先は県外から県本土や群島内、各島内に変わった。奄美と喜界、徳之島の5自治体では、年度内に行わない学校もあった。今年度も1学期の実施校は多くが延期を決定、または検討している。

 瀬戸内町の嘉鉄・篠川両小学校は、5・6年生が合同で6月に県本土へ行く予定だったが、延期した。隔年実施で6年生は今年がラストチャンス。事前学習に励む嘉鉄小6年の斉藤史弥君(11)は「一番の楽しみ。コロナは不安だけど中止は嫌だ」と切に願う。

 知名町の知名、下平川両小学校は、5月から10月以降に延期した。昨年度は、行き先を当初予定の沖縄から奄美大島に変更。今年度も同様に計画している。水枝谷琢教頭は「感染状況的に遠出は難しいが、できる限り児童を楽しませてあげたい」と準備を進める。

 

■学校側 判断分かれる

 

 コロナ禍以前、中学修学旅行の定番だった九州本土は現在、福岡県が緊急事態宣言、熊本県がまん延防止等重点措置の対象。鹿児島県内でもクラスター(感染者集団)発生が相次ぎ、群島内でも断続的に感染者が確認されている。

 喜界中学校現3年生59人の修学旅行は、昨年度から延期が続いている。戸越雄一郎教頭は「受験のことも考えると早く行かせてあげたいが、コロナの収束が見通せない。医療資源の限られる島にウイルスを持ち込んでしまう不安は拭えない」と葛藤を抱える。

 一方、同様に現3年生18人の修学旅行を1年延期していた伊仙町の犬田布中学校は、今月中旬に実施した。行き先を九州各地から県本土に縮小して、マスク着用や手指消毒のほか、行動記録や体調管理も徹底した。「保護者の理解と協力のおかげ」(小倉剛教頭)。

 

■国と県「配慮し実施を」

 

 文部科学省は4月初旬、各都道府県、市区町村を通じて学校側へ通知。修学旅行を「学校生活に潤いや秩序、変化を与え、思い出に残る有意義な教育活動」とした上で、実施に当たっては事前に健康観察や感染防止策指導を行い、場所や日程を工夫するよう依頼した。県教委は文科省の通知に順じて、県内での修学旅行実施を推奨している。

 群島内各自治体や学校関係者からは、県内実施の定例化に懸念の声も聞かれる。ある教委担当者は「小、中続けて県内実施だと新鮮さがなく、学習意欲にも影響しかねない」と不安視。2学期以降に延期しつつ、行き先は九州各地の方針で検討する中学校の教頭は「多様な地を訪れることで、生徒は多角的な視点を養う。貴重な経験を簡単に諦めさせたくない」と語った。