パトリオット初展開 日米共同訓練を報道公開 奄美駐屯地

     陸上自衛隊と米陸軍が奄美市名瀬の陸自奄美駐屯地で先月末から行っている日米共同訓練「オリエント・シールド21」は1日、訓練の一部が報道陣に公開された。米陸軍の地対空誘導弾(パトリオット)部隊と陸自の中距離地対空誘導弾(中SAM)部隊が共同対空戦闘訓練を実施。沖縄本島以外の南西諸島地域で、パトリオット部隊が展開されるのは奄美大島が初めて。

 

 

 オリエント・シールドは陸自と米陸軍の実動訓練としては最大規模で、共同作戦能力の向上を図ることを目的に毎年行われている。今年は6月18日から7月11日にかけて実施し、米陸軍約1600人、陸自約1400人の約3000人が参加している。

 

 今回の共同対空戦闘訓練は、陸自と米陸軍が保有する高射部隊の島しょ部における機動展開や高射部隊が訓練できる基盤などを総合的に検討し、陸自が常駐する奄美駐屯地が適地として選定された。南西海空域で中国の活動が活発化する中、島しょ部での日米の共同作戦能力の高さを国内外に示す狙いもあるとみられる。

 

 共同対空戦闘訓練には兵庫県青野原駐屯地の中部方面隊第8高射特科群約40人、米軍側は沖縄県嘉手納基地の第38防空砲兵旅団約30人が参加。日本の防衛上重要な地域に、何らかの飛翔体が侵入した想定で実施した。訓練は非実射で行われ、奄美駐屯地と瀬戸内分屯地の隊員は参加していない。

 

 報道陣に公開されたのは、両部隊が展開するレーダーなどから得た飛翔体の情報を相互共有し、撃墜までの流れを日米間で調整する共同指揮所とパトリオット、中SAMの車両を展開する様子。陸自トップの吉田圭秀陸上幕僚長と、ジョエル・B・ヴァウル在日米陸軍司令官が訓練状況を視察した。

 

 訓練公開後の共同記者会見でヴァウル司令官は「オリエント・シールドは地域の潜在敵対勢力に対し、われわれの共同能力の高さで日本のいずれの地域に(部隊を)展開することで、一体的な防衛ができることを示している」と意義を強調。吉田陸幕長は「日米高射部隊の隊員たちが真剣に取り組んでいる姿を見て、日米の共同対処の実効性が確実に上がっていると実感した」と手応えを語った。

 

 防衛省から情報提供された奄美市によると、奄美駐屯地で行う日米合同の実動訓練は2日まで。奄美大島での共同訓練は2019年以来、2回目。