伝統文化の継承、新様式模索 官民交えコロナ対策議論 奄美市

さまざまな立場から意見が交わされた奄美市新型コロナ情報連絡円卓会議=5日、奄美市名瀬

    新型コロナウイルス対策について官民で語り合う「奄美市新型コロナ情報連絡円卓会議」が5日、奄美市名瀬の集宴会場で初開催された。市担当課や保健所のほか、教育、観光、経済関係者、地元ラジオ局などから17人が出席し、今後のコロナ対策について意見を交わした。各種行事が中止・縮小されていることに関して、「伝統文化を継承するためにも新しい生活様式に即した実施方法を考えていくべきだ」との提言もあった。

 

 同会議は、感染症対策に対して官民のさまざまな立場から認識や情報を共有し、各分野の協働に向けた意見交換などを行う目的。

 

 名瀬保健所の相星壮吾所長は奄美群島の医療体制の注意点として▽医療ひっ迫が起こりやすい▽すぐに島外へ搬送できるとは限らない―と指摘。「コロナだけではなく、ノロウイルス、インフルエンザなどの同時流行にも注意が必要。最近は気が緩んでいる人も見られる」と述べ、マスク着用や三密の回避など基本的な対策の徹底が大切だと強調した。

 

 市各担当課は新型コロナ対策事業とワクチンの接種状況について、名瀬公共職業安定所はコロナ禍の雇用情勢についてそれぞれ報告。奄美市のワクチン接種状況は11月1日現在、12歳以上が81・1%、65歳以上の高齢者では92・4%だった。健康増進課の徳永明子課長は、12月に医療従事者、来年1月に高齢者の3回目接種を開始するとした。

 

 教育関係者や地域からは、学校行事や地域イベントの中止に関して「奄美の文化を子どもたちへ伝える機会が減る」「生活に張り合いがなく、高齢者の健康状態にも変化が出ている」「スポーツ大会の中止は地元経済にも影響がある」など課題が相次いだ。

 

 相星所長は、与論島で親しまれている「与論献奉」が従来の回し飲みからマイコップへ移行しようという動きがあるとして、「昔と同じようにできるまで待つのではなく、知恵を出し合って新しい文化伝承の方法を考えるべきだ」と提言。

 

 参加者から「八月踊りもやり方を変えてみてはどうか」「市民にも方法を募ってみたい」などの意見があった。