名瀬繁華街、にぎわい徐々に

新型コロナ禍で迎えた2度目の忘年会シーズン。開店準備で感染防止対策をする飲食店=5日、奄美市名瀬

師走に入り、新型コロナウイルス禍で2度目の忘年会シーズンを迎えた。奄美でも感染状況が落ち着き、11月末には県が求めていた会食時の人数・時間の制限が撤廃された。繁華街のにぎわいは徐々に戻りつつある。ただ、新たな変異株の国内侵入や第6波への懸念もあり、職場単位など大人数での忘年会はいまだ自粛ムードが漂う。飲食店関係者は書き入れ時の客足回復に期待する一方、「お客さんの動きがまったく読めない」との声も漏れる。

 

奄美市名瀬の「居酒屋いっさごれ」では、感染者が減った10月以降客足が戻り始め、11月下旬ごろから忘年会の予約も入りだした。オーナーの宮本聖平さん(48)は「団体客は4、5人か、多くても十数人。予約は当日など直前に入ることが多い。昨年よりは全然いいが、コロナ前の2年前に比べるとまだまだ。公務員や病院関係は少なく、職場単位での予約もあまりない」と話す。

 

同店は感染対策を徹底する店舗に県がお墨付きを与える「第三者認証店」の認証を受けており、宮本さんは「不安を抱えながらの営業に変わりはない。できる限りの対策を続けていく」と力を込める。

 

「以前に比べるとお客さんは戻ってきたが、年末年始に向けてどうなるかはまったく予想できない」と話すのは、同市名瀬の屋仁川通りにある「居酒屋わとわ」奄美店のスタッフ瀧谷京子さん(31)。「平日の人通りは少ないが、週末は観光客の姿が多く見られる。地元の人たちはまだ様子をうかがっているよう」と印象を語り、「成人式が2年ぶりに開催されることもあり、出身者の方々がたくさん帰ってくると屋仁川もにぎわうと思う。換気などできることをしっかりしながら、来ていただいたお客さんに楽しんでもらいたい」と期待した。

 

屋仁川通りで30年以上営業を続ける老舗居酒屋の調理スタッフ女性(70)も「お客さんの動きが読めない」とこぼす。来店するのは地元客がほとんどだが、平日や週末に関係なく満席になったり、まったく来なかったりとばらつきがあるという。女性は「個人客ばかりで団体客は少ない。忘年会の予約もまだない。コロナのせいで厳しい状況は続いている」と訴えた。

 

社員らが感染した場合の対応を懸念し、企業側は職場単位での忘年会開催に慎重な姿勢を取らざるを得ないのが現状だ。奄美市名瀬の会社員男性(40)は「可能な限りやりたいが、もしものことを考えると会社のメンバーで大人数の忘年会をするのは気が引ける。島では人の目も気になる。社内で忘年会をしようと言い出すにも勇気がいる」と嘆いた。

 

コロナの影響が長期にわたり、飲み会への意識が変わりつつあることも影響しているとみられる。名瀬の会社員女性(20代)は「仕事以外の時間に職場の上司とお酒を飲むのは必要なのか疑問。忘年会の幹事を任されて嫌な思いをしたこともある。行けば楽しいこともあるが、仲のいい友達と行く方がよっぽど楽しめる」ときっぱり。

 

飲食店での会食をめぐっては、県が11月25日に5段階の「レベル」による新たな感染拡大警戒基準を設定して運用を始め、昨年末から県民に求めていた会食時の「少人数、短時間」の制限を撤廃した。レベルに応じて時短要請や酒類の提供などについての制約がかかるが、第三者認証店には優遇措置を講じる。

 

県はワクチン接種歴やPCR検査などの陰性証明を用いて行動制限を緩和する「ワクチン・検査パッケージ(ⅤTP)制度」も導入する方針で、年内に県ホームページで関連情報を公開し、登録を希望する店舗の受け付けを始める。感染が広がった場合でも行動制限を緩和することで、感染対策と日常生活の両立を図っていく考えだ。