奄美に新しい形の本屋を 奄美市のシェア本屋

新しい形の本屋を模索するブックオーナーら=5日、奄美市名瀬

個人(ブックオーナー)が本棚を共有して経営するシェア本屋「AMAMI.MUJIN」(奄美市名瀬末広町、木村麻里代表)は5日、来春に開催予定の展示会に先立ち、ワークショップ「空飛ぶ本屋×AMAMI 奄美の新しい本屋を考えよう!」を奄美市名瀬の市民交流センターで開いた。午前と午後の部にブックオーナーら約35人が参加。従来の枠組みにとらわれない着想から本屋の可能性を掘り下げた。

 

同店は、名瀬中央通りアーケードの一角に5月30日にオープン。中高生のブックオーナーを主体に、6畳ほどの店舗で本棚をシェアし、多様なジャンルの本を販売する。11月末時点での売り上げ冊数は1000冊を超え、地域性を生かした、新しい本屋の在り方を提唱している。

 

展示会のファシリテーターを務めるのは、東京大学大学院学際情報学府先端表現情報学コース修士課程2年で、新しい本屋の形を模索する実験展示企画「空飛ぶ本屋」を主宰する谷浦翔紀さん(24)。ブックオーナーの一人である向井正哉さん(27)が、将来、本島と離島の情報格差を埋められるような書店を奄美に開きたいと、谷浦さんにコンタクトを取ったことから始動した。「AMAMI.MUJINの経営は、地域のコミュニティーが堅固でないと成り立たず、可能性は多大。奄美は好奇心が育ちやすい地域だと感じており、期待が膨らむ」と谷浦さん。

 

ワークショップでは▽好きなもの・面白いことが見つかる本屋▽他の人の好きなもの・面白いことを楽しめる本屋▽自分の好きなものをもっと知れる・面白いことがもっと楽しめる本屋―をテーマに、オーナーらはグループ(3~4人)に分かれ、さまざまな観点からアイデアを出し合った。構想には、美術館のような「ジャケ買い本屋」やゲーム感覚の「ダンジョン×本屋」、時間がない人のための「ドローン本屋」などが挙がった。

 

参加した中江愛海さん(16)は「やりたい事が多く、アイデアが次々に浮かび、楽しかった。新しい本屋ができるのを間近で体感でき、自身の夢も広がった」と笑顔。

 

木村代表は「自分だけでなく相手の好奇心と対峙(たいじ)する中で、より良い島のためにも、ここ奄美だけの本屋を作りたい。オーナーらの楽しむ気持ちが波及し、多世代につながりが生まれることを望む」と話す。