奄美全市町村で漂着確認 県が軽石問題で対策調整会議

軽石の漂着状況について関係機関が情報共有した対策調整会議=29日、鹿児島市の県庁

 小笠原諸島の海底火山が噴火した影響で奄美群島に大量の軽石が漂着している問題を受け、県は29日、鹿児島市の県庁で対策調整会議を開いた。県のまとめによると、奄美12市町村全てで軽石の漂着を確認。28日時点の漂着地は、群島内83カ所(うち11カ所は原状回復済み)に上り、漁船被害は12件となっている。会議は奄美各自治体ともリモートでつないで被害状況や関係機関の対応などを情報共有。国の補助金活用も視野に、軽石の除去作業を進めていくことを申し合わせた。

 

 県の各部署からの報告によると、軽石の漂着・漂流の影響で漁業や観光業に影響が出ているほか、瀬戸内町の「フェリーかけろま」は19日以降、加計呂麻島の生間港行きに一部欠航が生じ、22日以降は瀬相港行きに振り替えて運航している。養殖業への被害は今のところ報告されていない。

 

 各市町村が軽石の漂着や回収状況を説明。このうち、南側の海岸を除く全域に軽石が漂着している与論町は「製糖工場の(海につながる)パイプラインに軽石が詰まると、12月から開始予定の操業に影響が出る可能性がある。また、火力発電の取水口が軽石の粒子を吸い込んでいる状況があり、エンジンが止まらないか懸念される。発電が止まると全島停電の恐れがある。非常に重大な案件」と危機感を募らせた。

 

 第10管区海上保安本部は、27日に航空機で調査した喜界島と奄美大島間海域の漂流状況を示し、「軽石は帯状、筋状、固まった状態などさまざまな形態が確認できた」と報告。新たな情報は同保安本部ホームページで公開していくとした。

 

 塩田康一知事は「引き続き市町村や国などと連携して状況を把握するとともに、県民生活へ与える影響が少なくなるよう必要な対策を講じてほしい」と関係各所に協力を求めた。