奄美出身者、国旗運び手に 救急救命士の朝谷さん、故郷も勇気湧く 瀬戸内町

朝谷さんが登場したパラリンピックの開会式を見守る家族=24日、鹿児島県瀬戸内町

 東京2020パラリンピックの開会式が24日、東京都の国立競技場で行われ、鹿児島県瀬戸内町(奄美大島)出身の朝谷拓海さん(23)が日本国旗の運び手の一人として登場した。朝谷さんは東京都で救急救命士として活躍しており、医療従事者の代表として選出された。同町の自宅から開会式の様子を見守った祖母の英子さん(79)は「コロナ禍の中で人を助ける仕事を頑張っている孫は私の誇りで生きがい。今は直接会うことは難しいが、立派な姿を見ることができてうれしい」と語った。

 

 朝谷さんは県立古仁屋高校卒業後、福岡県の福岡医健専門学校へ進学。「人を助ける仕事をしたい」という幼い頃からの夢をかなえた。式典では、元五輪選手ら5人と共に国旗を掲揚台へ運んだ。

 

 瀬戸内町の実家では、英子さんと父春重さん(46)、母千代さん(44)、弟、妹の5人がテレビの前で待機。拓海さんの姿が映し出されると、家族から大きな歓声と拍手が湧き起こった。

 

 式典後はテレビを見守っていた親戚や友人、近隣住民からも家族宛てに電話やメッセージが次々と届き、喜びの声が寄せられた。

 

 英子さんは昨年、末期がんと診断され、現在は自宅で過ごしている。新型コロナウイルスの影響で拓海さんとは直接会えずにいるが、「奄美に帰ってくるまで絶対に元気でいると約束している。テレビ越しに見て勇気が湧いた。会って抱きしめてあげたい」と語った。