奄美市にふるさと納税百万円 中津留夫妻「軽石対策使って」

奄美市にふるさと納税100万円を寄付した中津留瑞良さん、直美さん夫妻=4日、同市名瀬

半世紀前に奄美大島で受けた親切が縁となり、奄美通いを続ける福岡県久留米市の中津留瑞良さん(63)、直美さん(61)夫妻が4日、奄美市へふるさと納税として100万円を寄付した。小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」の噴火による漂着軽石対策に役立ててほしいと、安田壮平市長へ直接手渡した。2人は「いつも楽しませてもらっている奄美に恩返しできればうれしい」と話した。

 

瑞良さんと奄美の縁は49年前にさかのぼる。当時中学生だった1973年、部活動のプレッシャーを苦に久留米市の自宅を家出し、奄美大島で下船。見ず知らずの少年に対して島の人々は食事をごちそうしたり、精肉店に住み込みで数日間働かせたりと世話を焼いた。

 

還暦を迎える2018年、瑞良さんは改めてお礼を言いたいと45年ぶりに来島した。恩人の精肉店主は亡くなっていたが、その家族らと旧交を温めた。恩人探しの模様は朝日放送テレビの人気番組「探偵!ナイトスクープ」で放送された。

 

瑞良さんは現在、久留米市で精肉店や飲食店を展開する「中津留」の代表取締役会長。直美さんは専務を務める。

 

夫妻は多忙な合間を縫ってたびたび観光に訪れているという。瑞良さんは「道路などのライフラインは良くなったが、人情は昔と変わらない。自然も豊かで何度見ても飽き足らない」と魅力を語る。

 

今回は漂着軽石のニュースに胸を痛めた夫妻が「少しでも役に立ちたい」と寄付先を探していたところ、奄美市のふるさと納税に行き着いた。全額活用してもらうために返礼品は受け取らないと伝えた。安田市長は「軽石問題に関する災害復旧事業を行っているところ。思いをしっかり受け止め、大切に活用したい」と感謝した。