奄美産品を世界へ 奄美市とグリーンストアが立地協定 工場新設で販路拡大

立地協定を結んだグリーンストアの里社長(中央)と朝山市長(右)、立ち会い人代理の印南百合子県大島支庁長=28日、奄美市名瀬

 奄美市は28日、同市名瀬金久町に食品工場を新設するグリーンストア(同市名瀬入舟町、里綾子社長)と立地協定を結んだ。新工場は来年3月に操業開始を予定。地元の食材を使った郷土菓子や食肉加工品などの「Amami island」ブランドを立ち上げ、海外への販路拡大を目指す。里社長(44)は「奄美の宝である地場の魚、野菜、果物を世界に広めたい」と抱負を語った。

 

 グリーンストアは食料品の小売店として1985年創業。奄美市内にスーパー5店舗。2018年から移動販売を展開し、高齢者の見守り活動も担う。食品工場は97年開設の同市名瀬長浜町に次いで2カ所目。

 

 新工場の整備は、ベトナム、アメリカなど海外向け加工食品の増産体制の構築が目的。16年に取得した鉄筋コンクリート4階建てのビル1、2階を改修し、延べ床面積約324平方㍍。食品衛生管理の国際基準HACCP(ハサップ)などの認証取得に向けて、基準に対応した製造機器を導入する。HACCP認証は奄美市で初めて。

 

 整備費は約2億7500万円。県の食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業補助金(補助率2分の1以内)、企業立地促進補助金を活用。11月に着工し、来年2月の完成を予定している。

 

 新たに従業員6人を雇用し、黒糖を使った郷土菓子や伝統の豚肉料理、冷凍マグロ、冷凍タンカンなどの商品開発、製造とインターネット販売などを展開。初年度の売上は約3億3600万円を見込む。

 

 立地協定により、国内外への奄美市の魅力発信や、伝統文化の継承、台風など災害時の食品の安定供給の強化などに協力する。

 

 奄美市役所で調印式があり、朝山毅市長は「地域に密着した企業活動は行政、市民にとってありがたい」と感謝し、「海外に向けて大きく躍進する企業。大変楽しみな営業展開をすると期待している」と述べた。

 

 里社長は「『奄美の産物を世界中に届けたい』という先代の社長(故里泰慶氏)から受け継いだ夢を実行したい。たくさんの方々の力と知恵を拝借して販路拡大を進めていく」と話した。