感染拡大で医療体制逼迫 徳之島に宿泊療養施設

宿泊療養施設として県が確保したホテルニューにしだ別館=19日、徳之島町

 新型コロナウイルスの感染拡大が県内で急速に広がる中、奄美群島でも感染者が急増している。群島在住の8月の感染者数は18日現在で237人に達した。奄美医療圏で感染者を受け入れる病床数は現在53床だが、今後も感染者が増え続けると医療提供体制の維持確保が難しくなる。県は医療体制確保の観点から19日、徳之島町に軽症者向けの宿泊療養施設を新たに開所した。ただ同様に感染者が急増している喜界島には宿泊療養施設はなく、自宅待機する感染者が増えている。

 

 県は新型コロナの感染が確認された場合、原則として医療機関への入院か、宿泊療養施設に入所させる対応を取っている。だが県内の感染者が連日100人を超える中、宿泊療養先の調整に時間を要し、自宅待機中の人の割合がこの1週間程度で急増。17日現在、県全体で627人が自宅待機中となっている。

 

 自宅待機中の感染者には保健所が電話を中心とした健康観察を行い、容体が急変した場合に入院などの対応を取ることになっているが、離島では天候不良で島外の医療機関へ搬送できないケースも想定され、懸念材料となっている。

 

 県内のコロナ病床数は458床あり、17日現在の病床使用率は71・4%。県の警戒基準ステージ4の指標である50%をすでに大きく上回っている。

 

 こうした状況の中、県は徳之島町亀津のホテルニューにしだ別館を、新型コロナに感染した無症状者・軽症者らの宿泊療養施設として開所した。1棟(17室)を貸し切り、ホテル内に看護師が常駐して対応する。入所者は建物から出ずに生活するため、周辺への感染の恐れはないという。

 

 徳之島での宿泊療養施設の開設は初めて。奄美では奄美大島(55室)、沖永良部島(10室)、与論島(6室)にも各1施設あり、喜界島のみ開設されていない。

 

 喜界町保健福祉課は「島内の医療体制は逼迫し、自宅待機中の感染者も増えている。適切な健康管理や同居する他の家族への感染リスクなどを考慮すると、自宅待機より宿泊療養施設での対応が理想的。開所に向けて県と連携しながら現在、調整を進めている」と説明した。