戦中戦後の苦労聞く 喜久さんが体験談 島の未来考えることも指摘 喜界町

先輩の体験談に聞き入る参加者=8日、喜界町役場

 コミュニティーサークル「喜界いどばたお茶会」(伊藤嘉應代表)主催の特別講演会が8日、喜界町役場であった。同町坂嶺の喜久秀人さん(89)が「戦後76年、今だから聞きたい当時の喜界島」と題し講演。町内から65人が出席し、戦中戦後の激動の時代を生き抜いた先輩の話に耳を傾けた。

 

 講演会は戦後の喜界島の復興に尽力された人々の体験談やその思いを受け、より良い島づくりにつなげようと8月15日の終戦記念日を前に開催した。

 

戦中戦後の喜界島の状況などを語る喜久さん=8日、喜界町役場

 喜久さんは終戦後、台湾から引き揚げてくる際、喜界町の湾から坂嶺まで荷物を馬で運んだことや、かやぶき屋根の家でノミやシラミのいる劣悪な生活環境、短い鉛筆に竹をつないで勉強したことなどを紹介。喜界高校を誘致するため同年代の人たちに声を掛け、当時の早町村長らを説得したエピソードも紹介し、来場者は聞き入っていた。

 

 喜界高校の第1期生で、東京都や全国の教育関係の要職を経験してきた喜久さんは「人口減少は全国的に進んでいるが、若者が残るようにいい糸口が見つかればと思う。島のために尽力した人が多くいることを知ってほしい」と体験談とともに、島の未来を考えることを参加者に呼び掛けた。

 

 「喜界いどばたお茶会」は、伊藤代表が闘病生活で感じた離島で治療を続ける苦労や、地域の方々の声掛けで精神的に支えられたことが設立のきっかけ。雑談や悩み事などを気軽に話せる場をつくり、つながりができることで、解決策を模索したり、行動のきっかけをつくることを目指している。

 

 伊藤代表は「喜久先生の話は、時代を切り開いた人たちの日々の生活が勉強になった。今の恵まれた環境の中で、町民一人一人が声を上げ、次の課題を乗り越えていく必要があると思う」とあいさつした。