新分野への可能性伝える 染色家 金井志人さん あまみならでは学舎

「大島紬と島唄」について話す金井さん=15日、奄美市名瀬

 県立奄美図書館の生涯学習講座「あまみならでは学舎」の2021年度第一回目の講座が15日、奄美市名瀬の同図書館であった。染色家の金井志人さん=龍郷町=が「大島紬と島唄」を演題に講話。大島紬の染色について伝統的な技法と、新たな分野への取り組みについて語った。

 

 金井さんは、高校を卒業するまで家業の染色には全く興味がなく、島を出て東京の音楽関係の学校へ進学。音楽のフィールドレコーディング(自然の音を採ってくること)と、色を自然から採ってくるということの共通点を発見したところから染色に興味を持った。

 

 奄美大島出身の歌手、元ちとせさんが島唄をポップスに昇華できるなら、大島紬でも「いま」を足していくことができるのではないかと考察。島に帰って染色を始め、海外で展示会やワークショップを行ったり、奄美大島の伝統を新たな分野に展開していこうと取り組んでいる。

 

 講座ではスライドショーを使って海外でのワークショップの様子や、伝統的な染めの工程を説明。布地だけでなく、木や和紙、わらを染めて建材や観賞用の染物を作ったり、イカやヤギの食用のあと残ったものや砂を染めた写真なども紹介した。

 

 金井さんは「大島紬は奄美の歴史と風土が織り込まれている。紬の文化を産業だけでなくその根っこの部分を後世に残していきたい」と語った。 

 

 奄美市内から参加した女性(64)は、「親が織っていたのを見ていた世代でも大島紬について知らないことがたくさんあり、今回学び直したくて参加した。世界に奄美大島の伝統を発信している若い人がいることがうれしい」と話した。