日本島嶼学会研究奨励賞を受賞 宋多情さん

日本島嶼学会研究奨励賞を受賞した宋多情さん=8日、奄美市名瀬の鹿大国際島嶼教育研究センター奄美分室

 鹿児島大学国際島嶼(とうしょ)教育研究センター奄美分室の研究員・宋多情(ソン・ダジョン)さん(31)がこのほど、第8回日本島嶼学会研究奨励賞を受賞した。「エコツーリズム」をテーマに奄美群島における地域資源の観光利用を研究している宋さんは「うれしいが、プレッシャーもある。これからも奄美で研究を続けたい」と熱意を語った。

 

 同賞では、島しょ研究の分野で今後の活躍が期待される若い研究者を毎年1人表彰している。宋さんは、行政や地域住民などに対する調査を通して、奄美群島のエコツーリズムがどのように発展してきたかを考察。他地域との比較も行い、奄美の観光産業と自然環境の在り方を究明した研究が高く評価された。

 

 宋さんは韓国全州市出身。交換留学生として鹿児島大学で学んでいた2011年に初めて奄美大島を訪れた。奄美独特の雰囲気や自然に魅了され、13年に鹿大大学院に進んだ後も、奄美に携わり研究活動を続けてきた。14年には奄美市住用総合支所の産業建設課で半年間インターンシップを経験、マングローブなどの地域資源が住民によってどのように利用されてきたのかを調査した。博士号取得後は、19年から国際島嶼教育研究センター奄美分室で研究員として駐在している。

 

 奄美大島と徳之島が世界自然遺産に登録されたことで、エコツーリズムの需要が一層高まると考える宋さん。「地域住民にとって当たり前だった自然環境が、外部からのアクションによって価値のあるものとして認識されつつある」と語った。今後は、より幅広い地域の研究も行うとともに、奄美に関する知識も深めていきたいという。調査研究を通し地域住民の知り合いも増えたという宋さんは「奄美でお世話になった方々に研究の成果を伝えたい」と笑顔を見せた。