漂着軽石問題、解決遠く フェリーかけろま 抜港続く 「お年寄りの足」に影響も

船だまりに軽石が打ち寄せられた戸玉漁港=8日午前10時ごろ

 小笠原諸島の海底火山から噴き出したとみられる大量の軽石が漂着している奄美大島では、漁業や観光業、海上交通への影響が長期化している。奄美市住用町の戸玉漁港には7日ごろから軽石が吹き寄せられ、漁業者らは「船が出せず仕事にならない」「風向きで状況が変わるので対策が取りにくい」と頭を抱えている。瀬戸内町の町営定期船「フェリーかけろま」は10月22日以降、生間港の抜港が続いており、町は抜港地域と瀬相港の連絡バスの運行に向けて調整を進めている。

 

 奄美大島の太平洋側にある戸玉漁港には7日の北東の風の影響で軽石が流れ込んだ。船のエンジン冷却装置に軽石が詰まると故障の恐れがあり、地元の漁師は「細かい粉状になっていて非常に厄介」「漁にも出られないし、釣り客の瀬渡しも断っている。やっとコロナの影響が収まってきたのに」とため息をついた。戸玉漁港の軽石は8日、奄美市が打ち寄せられた分を回収した。

 

 瀬戸内町の古仁屋と加計呂麻島を結ぶ町営定期船「フェリーかけろま」は軽石の影響で、島の東側にある生間港発着の第2、6便を西側の瀬相港発着便に変更している。

 

 海上タクシーの定期船や乗合船、チャーター便は運航しているが、高齢者や足の不自由な人は小型船の乗り降りに不安を感じ、利用しない場合が多いという。

 

 40代男性の小型船船長は「お年寄りにとってはフェリーが日常の足。買い物や通院など生活にかかわる。町は早急に対策を取ってほしい」と要望した。

 

 関係者によると、生間港の軽石の量は風向きによって異なるが、フェリーは定刻まで港で待機する関係で小型船よりも軽石の影響が大きいという。

 

 町は島内のバス会社と協議し、フェリーが抜港している東側地区と瀬相港間を結ぶ臨時バスの運行を計画している。商工交通課は「軽石の影響が見通せないが、今週中にもスタートしたい」とした。