漂着軽石問題や障がい者の支援など 市民が知事に訴え 「ふれあい対話」

市民15人が塩田知事に意見、要望したふれあい対話=23日、奄美市名瀬

 塩田康一知事と県民が意見交換する「知事とのふれあい対話」が23日、奄美市の市民交流センターで始まった。市内のNPO法人、福祉事業所、市民団体などから推薦5人、公募10人の計15人が登壇。漂着軽石問題、観光業界の人材不足、障がい者福祉の現状や課題などを訴えた。24日は大和、宇検両村で予定している。

 

 ふれあい対話は昨年10月の徳之島3町を皮切りに県内各地を巡っており、奄美市で12市町村目。この日は5人1組ずつ発言し、塩田知事がまとめて回答する形式で進行した。

 

 漁協関係者は奄美各地の海岸に漂着した軽石問題について「船のエンジン事故がまん延している。出漁を見合わせるなど死活問題になりかねない状態。漁業者だけでは回収が追い付かないので早急に対策してほしい」と要望。塩田知事は「回収作業に着手している地域もあるが、問題は各地に広がっている。地元市町村や国とも連携しながら対応したい」と応じた。

 

 観光関連団体は「LCC(格安航空会社)就航で交流人口が増えている半面、定住人口は減っている。現場の人材が不足しているので観光客はお金を落とす場所がなく、それが不満足につながっている」と指摘。「高校卒業後に島を離れた子どもが将来帰ってきて仕事できる体制づくりを進めてほしい」と求めた。

 

 塩田知事は「地元で働きたい人を育てる意味でも郷土のことを認識し、地域課題を解決するための郷土教育は小さいころから行う必要がある」と理解を示した。

 

 福祉事業所関係者は、重度心身障がい者の医療費窓口無料化、県立大島病院への子ども相談のための臨床心理士配置を要望。「重度心身障がい者は医療的ケアが必要な人が多く、費用負担が大きい」「発達障がいの特性のある子どもが増えており、私たちの相談支援事業所は6カ月待ちの状況。大島病院に臨床心理士の配置か、月数回の派遣ができればありがたい」と語った。

 

 住用町の採石場から市湾沿岸に流出した土砂問題で住民の一人は、安全面や景観の観点から改善策を講じるよう訴えた。瀬戸内町嘉徳で県が進める海岸浸食対策事業に関して見直しを求める意見もあった。