菊次郎の生涯、功績学ぶ 龍郷町

フィールドワークで西郷隆盛一家について解説する東川さん(右から3番目)=31日、龍郷町

     龍郷町の名誉町民西郷菊次郎について学ぶ生涯学習県民大学講座が31日、同町内であった。菊次郎が生まれた同町龍郷集落の散策や座学があり、参加者は菊次郎の生涯や功績に理解を深め、次世代へ伝承していくことへ意欲を示した。

 

 講座はかごしま県民大学中央センターと町教育委員会が主催した。午前に町生涯学習センターで座学、午後からは龍郷集落でフィールドワークがあり、延べ41人が参加。県立開陽高校通信制過程教頭の吉満庄司さん、まちづくり地域フォーラムかごしま探検の会代表理事の東川隆太郎さんが各講座で講師を務めた。

 

 吉満さんは「菊次郎が考え、なしえたこと」を演題に講話した。台湾宜蘭(◆ぎらん)庁長時代に河川の氾濫防止のため行った堤防建設や京都市長時代の上水確保、交通網整備などに必要な財源の調達などの功績に触れ「薩摩藩の厳しい支配下にあった奄美で育った菊次郎だからこそ、弱者の立場に立って庶民目線で政策を実践できた」と述べた。

 

 フィールドワークでは菊次郎が生まれた屋敷跡や母愛加那の墓など5カ所を訪れ、東川さんが訪問地で西郷一家にまつわるエピソードを紹介。「主君の島津斉彬(◆なりあきら)の死去などで気落ちした西郷隆盛にとって、龍郷集落は愛加那との出会いや菊次郎の誕生などで気持ちが再生した重要な場所」と強調した。

 

 龍郷集落出身で、午前、午後の両方に参加した柳田明子さん(76)=同町玉里=は「菊次郎は私が生まれ育った集落の先輩だが、意外と知らないことが多かった。こういった機会を通して学びを深め、子や孫の世代にも伝えていきたい」と話した。