観光振興、交流機会創出へ 宇検村 多目的施設、湯湾に整備

観光情報発信などを目的に宇検村が整備する多目的施設の建設予定地=14日、同村湯湾

 宇検村は世界自然遺産登録効果による村内への入り込み客増を見据え、観光産業の振興などを図るための「体験観光多目的交流施設」を、2021年度中に整備する。設置場所は同村湯湾の県道沿いにある村有地。村は乗り合いの小型電動式カートで高齢者らが地域内を移動する「グリーンスローモビリティ」の導入とも関連付け、湯湾地区を拠点とした村内周遊観光モデルの確立や村民と観光客が交流する機会の創出につなげたい考えだ。

 

 村企画観光課によると、施設は木造平屋建てで床面積が132・49平方㍍。村活性化センター・結いの館そばに建設を予定し、施設建設費は6402万円で奄美群島振興交付金を活用する。14日にあった村議会定例会で工事請負契約が可決されたことから、今後、本格的な施設本体工事に着手する。施設完成は来年2月を見込む。

 

 施設は観光情報発信やインバウンド(訪日外国人)への対応、体験プログラムのあっせん、自転車のレンタルをはじめ、自然保護活動などのイベント開催や村民と観光客が交流できる場として活用する。地元の農林水産物を販売するなどして観光客にも人気の「うけん市場」も新たな施設内に移転させ、その機能を引き継ぐ。

 

 「グリーンスローモビリティ」は、定期路線バスではカバーできない高齢者の移動手段確保を目的に、村が20年度から導入を検討している。電動式カートは4~5人乗りで時速20㌔未満。低速で安全な上、二酸化炭素の排出量が少ないことから、脱炭素社会の実現にも寄与できるとして注目されている。

 

 村は、湯湾地区に新たに整備する多目的施設をカートの発着所に位置付けることで、観光分野でも有効活用できると期待感を示す。

 

 同課の辰島月美課長は「村内にはこれまで観光拠点施設がなかった。村民の利用を中心に観光客の利用の流れも作ることで新たな産業が生まれる。村民と観光客が交流する場としても活用し、宇検村らしい観光スタイルの構築を図りたい」と述べた。