龍郷町自然観察の森、再整備終盤 施設や機能更新、来春完了目指す

展示や体験コーナーなどを備えた新施設=11日、龍郷町の奄美自然観察の森

 龍郷町が2017年度から5カ年計画で実施している長雲峠の「奄美自然観察の森再整備事業」が工期終盤を迎えている。老朽化した遊歩道や展望デッキの改修、中核施設「森の館」の移転などを進めている。総事業費約5億円で8月末現在の進捗率は約7割。来年3月の事業完了を目指している。

 

 来場者の受け入れ窓口となっていた「森の館」は、従来の場所から町道を挟んだ駐車場横に移転。外構工事は終えており、展示施設や体験コーナーなどの機能を備えた内装の工事も近く完了する。

 

 以前あったアスレチックなどの遊具は18年中に撤去。跡地は野鳥観察の広場とし、鳥にストレスを与えずにより近くで観察するための野鳥観察小屋も2カ所整備する。

 

 一帯の景色を一望できるドラゴントリデや、園内の展望デッキなども補修。老朽化が著しかった展望デッキ1カ所は解体し、新たに設置し直した。

 

 広い園内で奄美固有の植物や野鳥、昆虫などを観察しながら散策できる遊歩道は、町道に近い部分の残り約230㍍を、今年度中に補修する予定。案内看板や指示標なども新たに建てる。

 

 またビーコン(近距離無線技術)を活用し、来園者が園内の特定の場所を通ると、スマートフォンなど手持ちの端末に動植物に関する情報が伝達されるエンターテインメント性のある仕掛けも取り入れる計画。

 

 今年7月に奄美大島は世界自然遺産に登録され、新型コロナウイルス収束後は一層の観光客増加が見込まれている。町企画観光課は「再整備後は自然観察の森を訪れる人が増えるはず。自然環境の保全と持続的な観光利用を両立できる施設にしたい」としている。