サッカー元日本代表前園氏が講演 県奄美パーク

2020年01月19日

地域

「サッカーから学んだ人生」と題して講演したサッカー元日本代表の前園氏=18日、奄美市笠利町の県奄美パーク

「サッカーから学んだ人生」と題して講演したサッカー元日本代表の前園氏=18日、奄美市笠利町の県奄美パーク

 サッカー元日本代表選手の前園真聖氏(46)の講演会「サッカーから学んだ人生」が18日、奄美市笠利町の県奄美パークであった。前園氏は現役時代の苦難や引退後の失敗を振り返り、「サッカーでできた仲間が常に自分を支えてくれた。人生にチームワークは欠かせない」などと語った。

 

 前園氏は薩摩郡東郷町(現在の薩摩川内市)出身。1992年に鹿児島実業高校を卒業後、プロサッカーチームの横浜フリューゲルス(当時)に入団。96年のアトランタ五輪に日本代表選手として出場し、強豪ブラジルの撃破(通称:マイアミの奇跡)に貢献した。

 

 前園氏はサッカー人生の転機として、プロ1年目の低迷期に経験したアルゼンチン留学を紹介。遊ぶことなくアルバイトで生計を立て、サッカーに取り組む現地の選手たちの姿に「プロとは何か」を痛感し、娯楽に時間やお金を費やしていた自らを恥じたという。

 

 さらに、引退後、サッカーと関係のないトラブルで仕事を失ったことに触れ、「一番に手を差し伸べてくれたのはサッカー仲間だった。現役時代から苦難は多かったが、『サッカーをやっていてよかった』と思えるのは、今も支え合える仲間ができたから」と語った。

 

 マイアミの奇跡について、前園氏は「シュート数は日本3本、ブラジル28本と圧倒的な劣勢だったが、泥臭く走り、守り、ゴールを狙い続けたことが1―0での勝利につながった」とし、会場に訪れた子どもたちに「高い目標を持って頑張ってほしい」と伝えた。

 

 講演会は同パークが主催。前園氏の現役時代を知るファンや親子連れなどが詰め掛け、講演後にはサイン、撮影会も行われた。講演を熱心に聞いていた大島北高2年の田畑昭樹さん(16)は「失敗しても前を向き、次の一歩につなげることの大切さを学んだ」と話した。