ハンセン病テーマに向井氏講演

2018年06月25日

地域

講演する向井奉文氏=24日、奄美市名瀬の奄美図書館

講演する向井奉文氏=24日、奄美市名瀬の奄美図書館

 「ハンセン病問題」をテーマとした講演会が24日、奄美市名瀬の奄美図書館4階研修室であった。治療援助などで奄美和光園入所者と関わりのあるむかいクリニック院長の向井奉文氏が講話。「入所者の意向を最大限に尊重しながら施設をどう活用していくかは、市民としての課題」などと語った。

 

 向井氏は一市民としての私見と前置きした上で▽ハンセン病あるいは和光園の歴史を、誰がいかに後世に伝えるか▽施設をどう有効活用するか▽職員の今後▽入所者を最後の1人までどう守っていくか―の4点を「われわれに突きつけられた待ったなしの課題」と提起。「和光園での治療やハンセン病患者への差別の歴史を記録していく作業は今から始めないと間に合わない。後世へのヒントになる」と強調した。

 

 参加者からは和光園の将来構想について、「入所者は最後の1人にはなりたくないという思いを訴えている。緊急に考えなければならない」「国は地元の課題と言っている。市民にどう活用されていくかはわれわれの課題」などの意見があった。

 

 講演会はハンセン病問題を正しく理解する週間(17~23日)に合わせ、ハンセン病文庫友の会(森山一隆代表)が主催した。