南部3島で震度4/強い揺れもけが人なし

2014年10月23日

地域

 22日午前9時15分ごろ、徳之島、沖永良部島、与論島で震度4を観測する地震があった。突き上げるような縦揺れや立っていられない横揺れに住民は不安を募らせ、最大震度4を観測した天城町で全国瞬時警報(Jアラート)が起動した。各島で商品が陳列棚から落下するなどの被害が出たが、県危機管理防災課によると、同日午後3時現在、けが人の報告はなく、県内の検潮所で津波は観測されなかった。

 気象庁によると、震源地は沖縄本島近海。震源の深さは約50㌔。地震の規模はマグニチュード5・5と推定される。震度4を観測したのは天城町と知名町、与論町。瀬戸内町の請島、伊仙町、和泊町で震度3、瀬戸内町の与路島や奄美市の名瀬と笠利町、徳之島町で震度2、大和村と宇検村、奄美市住用町、瀬戸内町古仁屋や喜界町で震度1を記録した。沖縄県でも広範囲に震度3~1の揺れを観測した。
 名瀬測候所によると、奄美地方で震度4以上を観測したのは今年3月3日以来。この地震も震源地は沖縄本島の北西沖で、知名町で震度4に達したほか、奄美各地で震度3以下の揺れを観測した。
 今回の地震でJアラートが起動した天城町は防災無線で地震発生速報を町民に伝えた。同町役場に被害の情報などは寄せられていない。
 同町天城の主婦、西川由美子さん(33)は「だんだん揺れが強くなり、長かった。玄関に逃げようとしたら怖くて立てなかった。神戸で阪神大震災を経験しているので、当時を思い出した。最近、奄美近海で地震が多いので、いつか大きな地震があるのではと不安を感じる」と話した。
 知名町のニシムタFC沖永良部店では焼酎の一升瓶や鍋が陳列棚から落下した。平安正吾店長(38)は「下から突き上げるような強い揺れ。前触れもなく突然のことで驚いた」といい、店内は一時騒然としたという。
 与論町総務企画課によると、スーパーで一部の商品が棚から落ちた以外は被害が出たとの情報は入ってない。勤務中に強い揺れを感じたという会社員の内野勇二郎さん(31)は「まっすぐ立っていられないほどの横揺れが10秒ぐらい続いた」と話した。