台風相次ぎ、観光に打撃 イベントの延期、中止続く 沖永良部

2018年07月22日

地域

空の便は全て欠航となり、閑散としたえらぶゆりの島空港=21日午前11時半ごろ、和泊町国頭

空の便は全て欠航となり、閑散としたえらぶゆりの島空港=21日午前11時半ごろ、和泊町国頭

 台風10号は小中学校などが夏休みに入った21日、奄美地方に接近し、遠ざかっていった。7月1日に沖縄と空路直行便で結ばれ交流人口拡大への期待が高まっていた沖永良部島では、台風の相次ぐ接近に観光関係者らからはため息が漏れている。今年は週末にかけて台風が近づくケースが多く、島内ではイベントの延期や中止も続いている。

 

 沖永良部島では6月以降で5回、7月だけでもすでに3回、欠航やイベントの中止、農作物被害など台風の影響が出ている。

 

 台風10号では、沖永良部島ダイビング協会などが21日に予定していた「サンゴの再生・植え付けプロジェクト」は延期、子どもらも参加予定だった浅場でのサンゴの株の植え付けは中止した。

 

 同協会の東進一郎会長は「たとえ島に接近しなくても、台風が発生しただけで島への旅行をキャンセルする観光客は少なくない。沖永良部に台風はつきものだが、それにしても今年は多い」と嘆いた。

 

 沖永良部島漁協が22日に計画していた「海人まつり」も9月に延期。東善一郎組合長は「海が荒れて漁ができないので、売り物が足りない」と延期理由を説明した。

 和泊町の「観光ホテル東」では宿泊予約のほか、21日の宴会予約もキャンセルに。町田実彰支配人は「キャンセルはもちろんホテルにとって痛い。せっかく沖縄との飛行機が就航したのにうまくいかないね」と苦笑い。

 

 島内の民泊などの宿泊予約も受けているおきのえらぶ島観光協会の古村英次郎事務局長は「数日前からキャンセル連絡が何件かあった。6月に予定していたマハダグムイ(イソマグロの追い込み漁)をはじめイベントの中止や延期も多く、今年は打撃が大きい」と話した。

 

 21日は海、空の便全て欠航。えらぶゆりの島空港(和泊町国頭)のロビーは閑散としていて、空港カウンターを訪れる人もまばら。この日帰る予定だったという東京都の女性は「22日も満席で帰れるのは次の日。会社に電話しなきゃ」とぼやいた。