和泊町で古墳時代の遺物出土 「城当遺跡」と命名、発掘調査へ
2020年12月19日
地域
和泊町教育委員会は18日、同町和泊で古墳時代から古代併行期のものとみられる遺物などが見つかり、地名から遺跡を「城当(ぐすくどう)遺跡」と名付けたと発表した。試掘調査で同時代の遺物とみられる「くびれ平底土器」の陶片などが出土しており、来年1月から周辺500平方メートルを対象に発掘調査を実施する予定だ。18日の町議会で公表した。
町教委によると、遺跡は町道改修工事に伴う事前の埋蔵文化財調査で見つかり、県教委が11月27日付で遺跡として認定した。遺物の一部は今年5月の分布調査で発見され、8月の試掘調査では、くびれ平底土器の陶片とともに、柱穴とみられる跡なども見つかった。
計画されている町道の路線・設計変更は困難なため、同遺跡は記録保存を目的とした発掘調査(来年1~3月)を実施した後、埋め戻される予定。調査報告書は2021年度に作成し、出土品などとともに保存するという。
町教委事務局生涯学習係で学芸員の北野堪重郎さん(44)は「発掘調査などで、和泊地区の過去の様相が分かってくるのではないか。地元の歴史に触れる機会になるので、町内の児童生徒を対象にした発掘現場の見学会なども検討していきたい」と話した。