奄美でも波及効果期待/「西郷どん」放送開始

2018年01月09日

地域

NHK大河ドラマ「西郷どん」第1話を食い入るように見詰める志塾・西郷塾のメンバー=7日、龍郷町赤尾木

NHK大河ドラマ「西郷どん」第1話を食い入るように見詰める志塾・西郷塾のメンバー=7日、龍郷町赤尾木

 NHK大河ドラマ「西郷どん」の第1話が7日夜、放送された。西郷隆盛について龍郷町で公民館講座などを開講している志塾・西郷塾の久保明雄塾長宅にはメンバーらが集い、テレビを食い入るように見守った。西郷ゆかりの地の一つ沖永良部島からもドラマの波及効果による交流人口拡大に期待を寄せる声が相次いだ。

 「明治維新の三傑」の1人とされる政治家・西郷隆盛。動乱の幕末、2度の遠島により奄美大島、徳之島、沖永良部島にも多くの足跡を残した。NHK大河ドラマ「西郷どん」の放送決定後、ゆかりの地・奄美では徐々に期待の声が高まり、西郷に関するツアーガイド養成などさまざまな活動が実施されている。
 龍郷町は1859(安政6)年、薩摩藩から潜居を命じられ、西郷が3年間を過ごした地。西郷は龍郷で3度引っ越ししており、最も長く住んだのは、2度目の小浜の龍家の家。西郷は愛加那を妻に迎えて2年8カ月暮らし、長男・菊次郎が生まれた。現在は跡地のみが残る。

 龍郷町赤尾木の久保塾長宅にはメンバーで久保さんの妻の笙子さん、重原よし子さん、岩下千代美さんの4人が塾特製の法被を着て集まり、初回放送を楽しんだ。
 久保塾長らは「こんなに待ち遠しかった大河ドラマは初めて。妻愛加那がどのように描かれるのか楽しみ。青年時代が多く描かれると聞いているので龍郷での生活が映像で流れ、愛加那や菊次郎のことが全国に発信されることを期待したい」と話した。

 さらに「交流人口が拡大し、龍郷町に多くの観光客が訪れることを期待している。現在、ツアーガイドの勉強も実施している。訪れる観光客が満足できるような受け入れ態勢を整えていきたい」と力を込めた。

 沖永良部島では、重罪人として野外の小さな格子牢に入れられた西郷。この座敷牢で島の子どもや若者たちを集めて塾を開き、為政者には飢饉(ききん)に備える社倉法を伝えた。和泊町の西郷南洲記念館には、西郷が初めに入った格子牢の復元や直筆の詩などが展示されている。

 伊地知実利・和泊町長は「物語が進むにつれて沖永良部島など奄美にも舞台が移っていくと思うので楽しみにしたい。西郷南洲記念館の入場者も増えており、今後も観光の面でドラマの効果が期待できる。町西郷どんプロモーション実行委員会を中心に、街歩きガイドの養成など受け入れ態勢の整備に努めたい」と意欲的。

 おきのえらぶ島観光協会の古村英次郎さんは「海の中を映したドラマのオープニング映像などを見ると、物語が鹿児島本土から奄美へと続いていくことが連想できる。これから沖永良部島でも撮影があるようなので、ドラマを通じて島の魅力が発信されるのを楽しみにしたい」と話した。