子猫4匹が新たな飼い主に 徳之島で保護団体が初の譲渡会

2021年07月05日

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引き取り希望者とわんにゃんハートネットとくのしまの幸事務局長(左)=4日、徳之島町亀津

 徳之島の動物愛護団体「わんにゃんハートネットとくのしま」(政田由美子会長)は4日、保護した野良猫の譲渡会を初開催した。譲渡対象は子猫7匹、成猫4匹。引き取りを希望する3人が同団体の保護施設(徳之島町亀津)を訪れ、子猫計4匹が新たな飼い主のもとに受け入れられた。

 

 同団体は、放置や遺棄された犬猫の保護・譲渡を進めるとともに、飼い主に適正飼育や終生飼養を呼び掛ける啓発活動を軸に、人も動物も幸せに暮らせる島の実現を目指している。

 

 これまで団体が保護した猫は島内情報誌などで飼い主を募集して譲渡を進めていたが、今春は子猫や、行政による避妊、去勢手術が受けられない猫の保護件数が多かったことから初めて譲渡会を開催した。

 

 譲渡会では猫を引き受ける条件として▽室内飼育▽適正飼育▽終生飼養▽不妊、去勢手術とワクチン接種▽自治体への登録│などの徹底を求めた上で、手術、ワクチン接種、ノミ・ダニ駆除などの代金として1匹当たり1万4200円(成猫は300円増し)を同団体に預ける方式をとった。預り金は、後日、猫が施術、接種などを済ませたことを確認した上で同団体が代金を支払う。

 

 譲渡会に訪れた50代女性(徳之島町)は「既に1匹飼っている猫の友達になる子を新たに飼いたいと思った」と参加理由を説明し、「譲渡会はSNS(会員制交流サイト)で知った。猫にとっても猫好きにとってもとても良い取り組み。飼育に興味のある人は足を運んでほしい」と笑顔を見せた。

 

 同施設ではスタッフ11人が交代で猫の世話をしており、昨年11月以降で猫38匹を保護、22匹を譲渡している。同団体の幸千恵子事務局長(63)は「不安もあったが4匹譲渡できたのは初回としては十分」と手応えを口にする一方で、「私たちがいったん保護した猫は行政による避妊、去勢手術ができないなど依然問題はある」と課題も挙げた。