宮崎緑さんの白大島姿話題 笠利町の織元が制作 新元号有識者懇

2019年04月04日

地域

宮崎さんが着用したものと同じ柄の着物の横で笑顔を見せる前田さん=3日、奄美市笠利町のまえだ屋

宮崎さんが着用したものと同じ柄の着物の横で笑顔を見せる前田さん=3日、奄美市笠利町のまえだ屋

  首相官邸で1日開かれた元号に関する有識者懇談会で、千葉商科大学教授の宮崎緑さんが大島紬を身に着け、話題となっている。着物を制作したまえだ屋(奄美市笠利町)の前田紀子専務(78)は「テレビで見て一目でうちの紬だと分かった」と笑顔。「歴史的な日に大島紬で臨んでくれたことがうれしくてたまらない。これを期に注目が高まり、産地がにぎわってくれたら」と期待した。

 

 宮崎さんは2001年に県奄美パーク・田中一村記念美術館(同市笠利町)の館長に就任。着物の上に長い羽織を合わせるのは、同パークの式典などでもおなじみの「宮崎スタイル」だ。

 

 懇談会で着用したのは総絣の白大島で、「奄美の太陽の黄色と海の青色をイメージした」というステンドグラスのような柄が特徴。まえだ屋が07年から14年まで同パークに出店していたことから、当時織元でもあった同社が制作した。宮崎さんは前田さんを「紀子姉(ねえ)」と呼んで慕っているという。

 

 本場奄美大島紬協同組合(奄美市名瀬)の女性部会長でもある前田さんは「宮崎さんに全国的にアピールしていただけてとてもありがたい」と感謝。「年々生産反数が減り厳しい状況が続いているが、今回の注目で令和が産地復活の時代になれば」と話した。

 

 同組合の前田豊成理事長は「大島紬はカジュアルな服装とされているが、奄美では結婚式や成人式で身に着ける礼服でもある。電話での問い合わせも多く、話題となっていてうれしい」と語った。

 

 宮崎さんは本場大島紬織物協同組合(鹿児島市)の本場大島紬大使としても大島紬の振興に携わっている。