幅広い世代対象に「しまむに教室」 沖永良部島

2019年08月26日

地域

国語研の山田准教授(左)から、しまむにを学ぶ中学生=21日、和泊町役場

国語研の山田准教授(左)から、しまむにを学ぶ中学生=21日、和泊町役場

  沖永良部島の言語(しまむに)の保存、継承などを目的に、和泊町で幅広い世代を対象とした方言教室が開催されている。役場職員や中学生ら幅広い世代から「しまむにを学んでみたい」との声を受け、同町職員組合と国立国語研究所が共催。本年度から生涯学習講座で「しまむに教室」を開催している知名町も含め、島内でしまむにの保存・継承に向けた機運が高まっている。

 

 和泊町職員組合は今年7月、町内の保育士や幼稚園教諭らで構成する「ひまわり会」と合同で「しまむにを学ぶ研修会」を初開催。「面白かった」「職場や地域でも役立つ」などと参加者から好評だったという。

 

 また今月2日にあった和泊町子ども議会で一般質問に立った中学生からも方言教室開催を望む声があり、20日に小学生や未就学児の親子、21日昼に中学生、同夜に町職員を対象に、それぞれ町役場で教室を開いた。

 

 このうち中学生の部には12人が参加。島内でしまむにの保存、継承に向けた調査・研究活動を行っている国語研の山田真寛准教授が講師を務め、世界の言語の多様性と、しまむにが消滅危機言語に含まれることなどを紹介。標準語にはない特有の音の発声や、しまむにを使った自己紹介なども学んだ。

 

 和泊中1年の森田聖人さん(12)は「(しまむには)難しいと思ったが、頑張れば話せるようになりそう。面白かった」と話した。

 

 山田准教授は「大人と中学生では教室の雰囲気にも違いがあった。より楽しく学んでもらえるよう次回はまた工夫して開催できれば」と語った。

 

 29日は知名町でもしまむに教室の開催が予定されている。