復帰運動、先人に感謝 66周年、おがみ山で市民のつどい 

2019年12月26日

地域

おがみ山であった日本復帰市民のつどい=25日、奄美市名瀬

おがみ山であった日本復帰市民のつどい=25日、奄美市名瀬

 奄美群島の日本復帰66周年を祝う市民のつどいが25日、奄美市名瀬のおがみ山公園であった。市民ら約30人が日本復帰記念碑前広場に集まり、「日本復帰の歌」を斉唱して復帰に貢献した先人へ感謝をささげた。

 

 「奄美群島の日本復帰運動を伝承する会」「奄美郷土研究会」など4団体で構成する「おがみ山日本復帰のつどいを伝承する会」が主催。市が主催する復帰の集いが16年から会場を変更したのを受け、「これまでの恒例行事を絶やしてはならない」と開催しており、今年で4回目。

 

 主催者代表の大津幸夫さん(86)は「復帰の日は奄美がどんな存在であるかを再確認する機会。奄美に生きる誇りを持ちながら、戦争の悲惨さと平和の尊さを語り継いでほしい」とあいさつした。参加者は「日本復帰の歌」を斉唱したあと、復帰運動の中心となった泉芳朗の胸像へ花を手向け、復帰を祝う「朝はあけたり」を歌い上げた。

 

 つどいには島外からの参加者も。観光で訪れた庄司富二男さん(63)=兵庫県明石市=は「見晴らしのよい場所と聞いてやって来たら遭遇した。奄美の歴史の重みに触れる場に立ち会えて光栄。よい思い出になる」と笑顔を見せた。

 

 那覇市議の前泊美紀さんは「沖縄では基地問題の影響もあり、奄美ほど復帰を祝う機運はない。沖縄が復帰した1972年生まれの『復帰っ子』として奄美の取り組みを沖縄の人たちへ伝えたい」と話した。

 

 大津さんは「おがみ山は名瀬小学校と同様に復帰運動発祥の地。子どもたちへ復帰運動を語り継いでいくためにも聖地、観光地として大切にしていきたい」と語った。