恒久平和へ誓い新た 疎開船「武州丸」平和の夕べ 徳之島町亀徳

2020年09月28日

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恒久平和を誓い、犠牲者の冥福を祈った参加者ら(提供写真)

恒久平和を誓い、犠牲者の冥福を祈った参加者ら(提供写真)

 【徳之島総局】太平洋戦争中に米軍潜水艦の魚雷攻撃を受けて沈没した疎開船「武州丸」の犠牲者を慰霊する「平和の夕べ」が26日、徳之島町亀徳のなごみの岬公園の慰霊碑前であった。島内の有志ら31人が参加し、恒久平和への誓いを新たにした。

 

 武州丸と平和を考える会(幸多勝弘会長)主催。同会と遺族会の共催で2010年まで慰霊祭が行われていたが、遺族の高齢化に伴い「平和の夕べ」に改称された。

 

 参加者らは慰霊碑前で黙とうをささげ、献花。幸多会長は「子どもから高齢者まで多世代が慰霊の夕べに参加し、一瞬にして夢や希望を絶たれた人たちの声なき声を伝えることで、若い世代が平和を構築することを望む」とあいさつした。

 

 亀津中学校3年の北山愛心さんが平和宣言で「私たちは犠牲になった人たちから『平和のバトン』を受け取った。戦争をしてはならないことを世界中の人と共有し、後の世代に語り継ぐ」と誓った。

 

 武州丸は本土に向けて航行中の1944年9月25日、十島村中之島沖で米軍潜水艦の魚雷攻撃を受けて沈没。徳之島町亀徳、井之川、山、尾母集落の学童や女性ら148人が犠牲になった。