新施設設置、7月末に回答へ  徳之島クリーンセンター検討委

2019年05月14日

地域

「徳之島愛ランドクリーンセンター」の今後の施設整備日程などを協議した検討委員会=13日、伊仙町目手久

「徳之島愛ランドクリーンセンター」の今後の施設整備日程などを協議した検討委員会=13日、伊仙町目手久

  【徳之島総局】徳之島3町のごみ処理場「徳之島愛ランドクリーンセンター」の施設整備基本構想検討委員会(委員長・小原幸三鹿児島大学名誉教授、委員13人)は13日、同センター会議室で会合を開いた。施設設置場所決定に関する天城町の回答期限について、委員会が3月に徳之島愛ランド広域連合(連合長・高岡秀規徳之島町長)へ報告した中間報告で定めた6月末から1カ月間の延長を決定。焼却飛灰に含まれる基準値超のダイオキシン類の低減へ、委員から焼却炉の運転マニュアルの順守を求める意見があった。

 

 検討委は2018年10月に設置され、会合は全8回予定で本年度は初開催。中間報告では、現施設建設時に決めたとされる3町持ち回りでごみ処理施設を建設する申し合わせを尊重し、次期建設地だった天城町に対して、住民の同意を得た上で6月末までに新施設建設場所を回答するよう求めていた。

 

 回答期限の延長について小原委員長は「自分たちのごみがどうやって処理されるか、島民一人一人が考えるべき。天城町だけの問題ではない」と指摘。新施設が稼働するまでの期間運用する現施設の継続使用に向けて、6月上旬にも設置される伊仙町と西目手久集落の合意形成推進協議会の協議動向を踏まえつつ、島民への情報共有化や意見集約を行うため先延ばしした。

 

 センター焼却炉の焼却飛灰に含まれる過去5年間のダイオキシン類測定値は、国の基準値(3ng)を超える3・5~9・2ng(ナノグラム=10億分の1)。オブザーバーとして参加した機器メーカーは「機器の適宜改修がなされず、焼却ごみを十分に混ぜないまま焼却炉に投入したため」と原因を分析した。

 

 西目手久集落は連合側へ▽ダイオキシン濃度の低減▽基準値を満たせない場合は、運転の停止▽基準値を満たせるよう、組織体制の改善―など6項目を要望。連合側は「本年度から運転員を4人増員し、研修で運転員の技術向上を進める。ごみを混ぜて燃えやすくすることで、発生対策に努めたい」と理解を求めた。

 

 委員からは「焼却飛灰のダイオキシン類の数値が高いのは、空気中に高濃度のダイオキシンが排出される予兆。環境を守るのか、予算を渋るのか、財政と折衝を」「新施設の建設地や現施設の継続使用期間など方向性を早期に決めた上で、住民への周知を図るべき」などの意見があった。

 

 今後は9月末までに既存施設の継続使用期限を決め、12月10日に基本構想案を決定する。20年1月末までに住民アンケートを集約し、同3月に基本構想を高岡連合長へ答申する。