濱田さん(奄美出身)が博士号取得 OIST卒業式

2019年05月29日

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ピーター・グルース学長(右から2人目)から学位記を授与された濱田太陽さん(中央)=25日、沖縄県恩納村

ピーター・グルース学長(右から2人目)から学位記を授与された濱田太陽さん(中央)=25日、沖縄県恩納村

 【沖縄・佐久本薫通信員】沖縄科学技術大学院大学(OIST、沖縄県恩納村)で25日、卒業式が行われた。奄美市出身の濱田太陽さん(30)など19人が、世界トップクラスの科学者として新たな門出を迎えた。

 

 2012年の開学以来2回目となる今回の卒業式では、インドや中国、エジプトなど10カ国から集まった学生19人に博士号の学位記が授与された。

 

 濱田さんは、銅谷賢治教授(神経計算ユニット)のもとで「セロトニンによる大規模脳活動制御」という学位論文を手掛け、功績が認められた。

 

 OISTのピーター・グルース学長は「皆さんは、科学技術だけでなく、異なる環境や文化で成功するためのスキルを培った」「世界に影響を与え、世界を変える人材です」と激励。一人一人に学位記を手渡し、博士課程の修了者のみが着用できる読谷山花織のフードを贈呈した。

 

 フードは式服の首からかけるもので、学生たちがデザインを考案。赤と白を基調に金運と招福を意味する「金花(ジンバナ)」と長寿を意味する「風車花(カジマヤーバナ)」、科学を象徴する波形が織り込まれている。

 

 修了生を代表して、ドイツ出身のイェシカ・ヴェレーナ・シュルツェ博士が「私たちはOISTからだけでなく沖縄からも多くのことを学びました。特に、ゆいまーるの心。助け合い支え合う、思いやりの大切さを学びました。にふぇーでーびる」と謝辞を述べた。

 

 OISTでは5年一貫制の博士課程を設置。学際的で世界最高水準の研究活動を推進し、世界の50を超える国と地域から優秀な学生や教員が集まる。2017年度に初めて14人の博士を輩出した。