瀬戸内町で原種ミカンツアー

2019年01月28日

地域

ミカンの味を確かめる参加者と、川島さんが育てている「クサラ」、「コーブシ」(写真下)=26日、瀬戸内町勢里集落

ミカンの味を確かめる参加者と、川島さんが育てている「クサラ」、「コーブシ」(写真下)=26日、瀬戸内町勢里集落

瀬戸内町で原種みかんツアー・みかん 関西を中心に全国の農家らで組織する「お米の勉強会」(村山日南子代表、会員250人)が瀬戸内町で「原種ミカンツアー」を実施した。26日は民家の庭などに残る原種ミカンを味わいながら、地元農家らと交流。「どのミカンも強い香りや希少性など商品価値が高い」「地域資源として活用すべき」などと語り合った。

 

 同会は全国で在来品種の見学会や無農薬・有機栽培農家を訪ねる勉強会ツアーを実施している。奄美ツアーは昨年に続いて2回目。25~27日の日程で、会員と果樹農家や愛好家ら17人と奄美の農家ら7人が参加した。

 

 瀬戸内町古仁屋で種苗店を営み、奄美のミカンの保存に取り組む畑啄三さん(61)によると、町内には昔から各家庭で栽培されてきたミカンが10種類以上あるが、ほとんどが商品として活用されていないという。畑さんは「地元の人にこそ魅力を知ってほしい」と話した。

 

 26日は加計呂麻島勢里集落の農家川島博さん(62)を訪ね、川島さんが自宅の庭で育てている「クサラ」「コーブシ」の味を確かめた。ミカンを食べた参加者からは「(紅茶の香り付けに利用される)ベルガモットのような香り」「こんなミカンが日本にあったなんて」など驚く声が聞かれた。

 

 同島の嘉入集落では原種ミカンなど地元の農産物を使ったジャムの製造・販売を行う花田誠司さん、絵美子さん夫婦の手料理を食べながら交流。㈱海藻研究所(福岡県、新井章吾所長)の講話もあり、新井所長が全国で提唱している海水や海藻を利用した無農薬無肥料農法を紹介した。

 

 山口県から参加したレモン・ミカン農家の石田俊文さん(64)は「特にクサラは個性的な香りで商品として将来性が高いと感じた。農家の高齢化は全国的な問題だが、地元の資源をうまく活用して若手が食える仕組みづくりや地域経済の発展につなげてほしい」と話した。